内容説明
エネルギーの流れる複雑な「回路」。大海原に敷かれた目に見えぬ「海路」。では、「怪路」とは?それは因から始まる呪われた未来への道筋であり、果から辿り返す忌まわしき過去への旅路である。道は暗く、迷路のごとく入り組んでいる。途中、得体の知れぬ何かが潜み、罠を張り、手ぐすね引いて通る者を待ち受けている。そして恐ろしいことに、因と果の道が出合うという保証すら全くない。撒かれた呪いの種はどこまでも蔓を伸ばし、出口を見出せないままとぐろを巻く。怪事の原因を取り除こうと大本を辿れば、無限に彷徨うばかりで何も見つからない。迷い込んだが最後、どうなるか分からないのがこの「怪路」なのである。だが、因果に縛られ先の見え切った日常の退屈さを思えば、このスリルは存外面白いかもしれない。さあ、ページを捲ればそこに貴方の「怪路」は広がっている…。
目次
埋葬
十年
ボックスシート
佐藤さん
走る話二題
電信
十一年
新婚さんいってらっしゃい
キ印人形
著者等紹介
深澤夜[フカサワヨル]
栃木県出身。家庭用エンターテインメント機器などの開発設計に携わりながら怪談を掘り出す日々。2007年より参戦した実話怪談コンテスト超‐1で高い評価を得て、2008年『恐怖箱 蛇苺』で共著デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
285
深澤夜さんの9つの実話怪談集「怪路」ですが、実は本書のレビューを書くのに凄く迷いまして今も迷いながら書いています。まあ要するに嫌な思いをした実体験者の気持ちがモヤモヤしたままで終わるものばかりで読後に喜びが得られる話が皆無なのですね。私にとってこんなに後味の良くない本は非常に珍しくて全く自信が持てませんが何とか紹介しますね。『ボックスシート』田村さんは四歳になる娘を連れて電車に乗り、二人分のシートが二つ向かい合った四人掛けのボックスシートに座ると、向かいの窓際に新聞を広げたサラリーマン風の男が乗っていた。2021/09/17
ゆみきーにゃ
44
《購入》曖昧なまま話が終わり(それが怖いんでしょうが)消化不良です。2014/12/10
HANA
7
【因果】と前書きでは断わっているものの、実際は因も果もはっきりしないものが多い。何故それが起きたのか、何故それが終わったのか、最初も最後もはっきりせず、全てが曖昧な中に何とも言えない恐ろしさがある。因果関係がはっきりしない方がよほど怖い。2010/06/01
☆kubo
5
わりと長めの話が多く、読み応えがあって面白かった。キヨミはビジュアルが出てこないけど、なかなか興味深いキャラクターだ、なんて言ってたらある日人形が届いたりとか想像すると怖い。2012/09/20
buchi
4
長編(中編?)の怪談が2つと小編いくつか。気味の悪い話が大半を占めてたかなぁ。因果関係がはっきりしないのもまた一興。2014/08/10
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- 和書
- 大麻でパクられちゃった僕