内容説明
十三人の怪談著者による“恐怖箱レーベル”十三番目の実話怪談集。編著者の“箱詰め職人”加藤一を中心に毎年開催される最恐の実話怪談コンテスト“超‐1”からデビューした珠玉の恐怖伝道師たちが、ひときわ恐ろしい「呪いと祟り」というテーマを中心に書き下ろした実話ホラー競作。
目次
蕩れ(加藤一)
貼付中(鳥飼誠)
流れ(鳥飼誠)
液晶画面(鳥飼誠)
女雛(鳥飼誠)
飲酒運転(鳥飼誠)
残り香(怪聞亭)
金絡み(つきしろ眠)
山麓の家(つきしろ眠)
お裾分け(つくね乱蔵)〔ほか〕
著者等紹介
加藤一[カトウハジメ]
1967年静岡県生まれ。怪談コレクター。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』冬版の編著者で、実話怪談コンテスト「超‐1」を企画主宰、同コンテストの傑作選「怪コレクション」シリーズの編者を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
236
題名は大阪の地名の十三(じゅうそう)ではなく実話怪談作家十三人によるアンソロジーで恐怖箱シリーズの13冊目で、恐らく西洋では不吉な数字とされる数字13にも関係がありそうですね。まあ今回は怖さに自信アリの強烈な2編を紹介しますね。『火守り人』つくね乱蔵:内村さんは以前に調査会社に勤務していた。中でも特に苦労するのが一般家庭に調査票を配布する仕事だ。夏の暑い盛りの日でバイトがひとりだけ連絡して来ないので彼は苛立っていた。携帯のない時代で連絡先は留守電になっていたのでメッセージを残し西野君の担当区域に向かった。2022/04/22
きら
3
実録怪談コンテスト、【超-1】からデビューした12人+加藤一の13人による、実録怪談集。さすがに13人もいると質のバラつきは大きいのは仕方ないか。力作は比較的終盤に固まってた気がする。しかしこの手の話を書く人って、収集する「運」まで含めて才能なのかな、やっぱり。一冊の本を出すだけでどれだけ多くのネタが必要になるのか考えると、それこそ下手な怪談よりよっぽど怖い。コンスタントに質の高い話を供給し続ける平山夢明のなんと恐ろしいことよ。2010/09/01
ギタバリョー
2
表紙からしてネバネバした不吉さに覆われたタイトル通りの一冊。「呪いと祟り」仕切りだが人間の黒い感情が裏テーマか。薄汚れた女雛に悪い山の神、地蔵の破片と未知の呪詛がいい感じで飛び交う。ラスト前に実話怪談作家の呪いともいえる因業を語った松村氏の泥くささ残るなか、締めの雨宮先生の話はちょっとお行儀が良過ぎたというか、単純に本の毛色に対してミスチョイス気味だったのが残念。最後がこの並びでなかったらまた違う印象だったかも知れない。2018/12/31
yoruyuki
2
つまりノーガード13人命張った殴り合いであり、どんな手使っても怖がらしたらあという殺気に満ちた良い怪談集。故に反則だろうと出まかせだろう怖かったら勝ちなのだが、一人で両手首は切り落とせないんじゃねとか実話強調しすぎて創作感が、みたいに色々残る。2010/10/07
三田主水
2
レベルに少々のばらつきはあったものの、総じてレベルの高い怪談集。いい意味で後味の悪い作品が多かったのが印象に残ります2009/11/29