内容説明
夫が海外出張中の若妻、美咲原静香は心身ともに深い孤独に苛まれていた。苦悩する彼女が何かに導かれるようにやってきたのは上野公園にあるブロンズ像「考える人」の前だった。逞しい肉体美に、自分が何を求めていたかに気づく静香。「一部にすぎません。このブロンズ像も、私も、そしてあなたも一部にすぎない」怯える彼女に声をかけてきたのは井之妖彦と名乗る怪しげな男。すべてを見透かすように井之が語り出す物語に引き込まれていく静香は…。狂気と恐怖で織り上げた奇怪なストーリー、不条理な世界に絡めとられる恍惚のひとときをご堪能あれ…。
著者等紹介
飯野文彦[イイノフミヒコ]
1961年山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年『新作ゴジラ』ノベライズでデビュー。以後ゲーム、アニメ等のノベライズ作品を多数手がける。最近は『異形コレクション』シリーズ等に独自色の強いホラー作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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