内容説明
「君のいない人生がどれだけつらいか、頭がおかしくなりそうなこの気持ちが、君にはわかる?」特異体質のせいで、幼い頃から研究所で隔離されて育ってきた巴は、その研究所を破壊しにやってきた「組織」の須王に助け出される。しかし、巴の存在は、その組織内でも混乱を招くものだった。組織の者に陥れられ、須王と引き裂かれた巴は、ある医者に再び監禁されてしまう。巴を救えなかった事を激しく後悔する須王と、須王のもとに戻りたいと願う巴。強く惹き合う二人の運命は、嵐のように膨れ上がり―…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同)
35
【課題図書】『花の残像』からの巴の悲惨な運命をどうしていいやら、そう簡単には死ねない餌であるための残酷な現状。過去の記憶を無くしながらもかすかに心のよりどころとなる思い出、優しく頭をなでる手にぼんやり救いを見いだす巴が健気。急展開後やっと須王のもとに戻ることが出来た巴、無償の愛一途な気持ちにホロリ。相思相愛なのですが、正直、あの須王にこんなに愛されている巴に少ぉ〜しジェラス!ヨハンの須王への想いの深さ、悲しい結末に物語りの深さを感じました。 2011/01/15
さち
24
冒頭の巴からずっと痛々しくて辛かった。その状況に陥れたヨハンの屈折した想い、そしてその思惑を知った時もっと胸が締め付けられた。愛する巴と離れ離れになったこと・残酷な形で友を失ったこと、それらは優しい須王の心に残った永遠に癒えない傷となってこれからもクリスマスが近づくたびに疼くんだろうか。何もかもを背負わなければいけない彼が切ない。ケーキ屋でのラストには涙ぐんでしまった。2人がささやかながらもそっと心穏やかに過ごせる時がこれからもずっと続いていくといいな。もちろんもう二度と離れ離れになんてなりませんように。2010/12/22
草薙香里
19
何故巴の声が戻ったことに須王以外は驚かなかったのか?ヨハンスーツ姿でクレープ屋さんは無いだろう…と思いましたが、良かったです。まさかヨハンがそこまで考えて行動しているとは思わなかった。それが須王には伝わっていることも。お風呂sexがとても萌えました。その後また布団でってよく巴の体力持ったな笑。今まで敵だった須王側の事情を知って、本編に戻る時にどっちを応援したら良いか迷いますね。2012/06/22
まふぃん
15
須王スピンオフ第2弾。 巴がどうなったかと思っていたけど、不憫過ぎる…。そして、ヨハン。須王のこと崇拝してるのは分かるけど、そまでするのか…。2018/09/21
棗
13
最初から最後まで涙なしには読めません…こんなに泣けるBLは初めてです。言葉が話せなくなってしまうほど辛い思いをした巴が本当に可哀相…須王との再会シーンは何度読んでも感動します。読んでる途中でヨハンの思惑がなんとなくは分かったんですが、だからこそもう引き返せないとこまで来てしまったのがすごく悲しかった。ヨハンのためにも、須王と巴のためにも、どうか少しでも長く穏やかな日々が続きますように…2010/12/23
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