内容説明
ある午後、男爵未亡人シャーロットが放蕩者の弁護士ナサニエルの元を訪れた。彼にとって一人で過ごすのが辛い日だと知っていたのだ。正体を隠して一夜を共にした、あの夜の鐘が忘れられなかった―。しかし、彼女を待っていたのは無作法な態度とキス。逃げ出したシャーロットだが、ナサニエルが義弟一家の調査を始めたことから、行動をともにせざるを得なくなる。一方、ナサニエルもまたあの夜の女性を探していた。品行方正な未亡人があんなことをするはずがない。だが、シャーロットとキスをしたとき、よみがえったのはあの夜のこと…。一夜の秘密と、15年前の秘密が二人を近づける…。リタ賞作家マデリン・ハンターの傑作ヒストリカル・サスペンス。
著者等紹介
ハンター,マデリン[ハンター,マデリン][Hunter,Madeline]
アメリカ、ペンシルヴェニア在住のベストセラー作家。2000年BY ARRANGEMENTでデビュー。以後、14作のヒストリカル・ロマンスを刊行。4作品がRITA賞にノミネートされ、中世を舞台にしたSTEALING HEAVENが2003年度ヒストリカル部門の最優秀作品賞を受賞した。美術史の博士号を持ち、執筆のかたわら現在も大学で教えている
松井里弥[マツイサトミ]
翻訳家、東京在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
15
続き物らしく、様々な登場人物が怒涛のように登場する最初は読みづらかったですが、なかなか練れた内容で面白い!男爵未亡人でその貞淑さで尊敬されている女性と、ずっと彼女といがみ合っていたらしい弁護士さん(貴族の家の末っ子)のちょっとスキャンダラスなロマンスです。彼女の子どもへの愛情がすごく切なくて、最後の大団円にはうなりました。法や契約といったものへの西洋的観念を、ロマンス小説でさらに勉強した気がします。ただ、シリーズの最後から読むのはやっぱり失敗でございました…。2016/08/07
ぽこ
3
反発しあいながらも惹かれあう二人の心情が丁寧に描かれていて面白かったです。機知に富んだ会話や皮肉めいた言い回しなどが凝っていて良いです。ヒーローもヒロインも素直になれない人たちで、恋人なのか?友達なのか?情婦なのか?にもやもやさせられました。お気に入りの作品です。2013/10/31
romance_holic
2
ケンカップル! 見えない火花を散らして惹かれあう様子がほんとおもしろかったです。かなりホット。またヒストリカルを読むちょっとした楽しみのひとつとして、時代背景や衣装などの雰囲気があると思いますが、いろいろ書いてあってそういう点でも楽しめました。 サスペンスというよりはロマンス寄りの印象ですが、謎ときはかなり楽しめました。密度の濃くハナマル。2007/12/24
uni
2
久々に再読。ストーリーをわかっていてもつい夢中になって読んでしまいました。2人の心境が丁寧に書かれててとても良かったです。2014/02/21
チョビ
2
深いところで理解しあう二人がわりとよく描かれていた。目や表情を見るだけでわかるってありえないけどね。でも!この手の本ではよくある誤植が気になっちゃって(T_T)特にひどいのは、亡夫と義弟の名前が逆のまま1ページ近く描かれているところ。ヒロインの心情までその名前のままつづられていて、それだけでがっかり。2009/09/03