内容説明
その恐怖、ヤミツキ…。そう、病み憑きである。怖いのに読まずにはいられない、そして読んだら最後、いつまでも忘れない。怪談病にかかってしまった者たちはまさに恐怖という甘美なウイルスにとり憑かれている。恐ろしいことにこの病は不治であるからして、さらに深く貪欲に恐怖を欲してしまうのである。だがこの病、罹ってみるのも悪くはない。存外楽しい病であることには間違いないのだから…。今回は凄い。ジャンキー諸君に自信をもって贈る究極の２４話。
目次
死にかけ
片耳妓
いろいろありがとう
味
指の日
女の子
バレーボール
入ってる
森の奥
蛇杖〔ほか〕
著者等紹介
平山夢明［ヒラヤマユメアキ］
１９６１年神奈川県生まれ。映画・ビデオの批評・制作から、ＣＦの企画、インタビュー、ルポ、自動販売機の営業、コンビニの店長と、様々な職歴を重ね、生理的に嫌な話を書かせたら日本で三指に入る小説家にして、日本でいちばん陽気な怪談コレクター
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人００９
151
怪談噺の本は怖い話ばかりでなく束の間の息抜きが出来るあっさりとした話が挟まっていればいいなと思いますよね。『空港事務所』地方空港の用地買収に当たっていた職員が何と半年の間に５人も亡くなる。古い神社やお寺を壊した祟りかと恐れた所長は神棚を吊って毎日全員で拝む事にすると死の連鎖は止まる。だが二十年後に所長と当時の職員が続けて亡くなり語り手が事務所に行くと新所長が神棚を撤去していた。再び神棚を吊る事で何とか平和が戻る。『夜泣き』隣から毎夜聴こえる赤ん坊の泣き声に寝られないと苦情を言いに行くと仏壇に幼子の遺影が。2020/05/04
ＮＡＯ
24
最後の２つが怖かった。あと十年累。柏手がきくのは勉強になった。2017/03/11
００７
19
そこまで怖い話ではないけど、気になってすぐ読んでしまった。いい話（常連客）もあった。2016/05/15
hannahhannah
18
ギリシャ文字シリーズ第五弾。まえがきで、平山夢明が年末にウィルス性腸炎を発症し、それが肺に回ったと書いている。十二月に義父が逝去。その前日には樹海で死体を漁っていたという。その日に樹海近くの国道沿いのローソンに非常線が張られている。前日に自殺しようとした男が死にきれずに、刑務所に行こうとバイト女性を刺殺したという。今回は平山夢明と加藤一がどの話を書いたか分かるようになっていた。「味」、「しんぶん」、「柏手」、「風呂」などはグロテスクな場面があるけど、加藤さんによる話。描写は平山さんの方が上手く感じました。2017/05/09
nico.pp1
17
実話ショートホラー、42話。グロかったり、怖いような不思議な話だったり、全体的にそこまで怖い話はないけれど、次々読みたくなって止まらない感じ。『落神』神様をブスだったと表現した父親の話と、死体の幽霊に対して強気で文句言うトラック運転手の話『しんぶん』が怖いというより面白くて印象に残った。2015/01/14
