内容説明
縫い合わせたばかりの傷からは、どす黒い血が流れ出た。ズキズキと傷む手首をふきんできつく縛り、わたしは気持ちが楽になるのを感じていた。欲しかったのは目に見える痛み。心でなど感じたくない。肉体的な痛みなら理解出来るし、それこそがわたしに安らぎをもたらした―。リストカットの闇を生き抜いた著者が、自身の壮絶な体験と再生までの日々を赤裸々につづった。身を引き裂かれるほど切なく、心揺さぶるノンフィクション。
著者等紹介
リーサム，ヴィクトリア［リーサム，ヴィクトリア］［Ｌｅａｔｈａｍ，Ｖｉｃｔｏｒｉａ］
１９６９年６月１２日生。サウスオーストラリア州出身。シドニー在住。友人から妹の自傷行為を相談されたことがきっかけで『ブラッドレッティング』を執筆した。ティーンエージャーや女性が陥りやすい心の問題についても触れている
寺尾まち子［テラオマチコ］
１９６４年横浜生まれ。青山学院女子短期大学英文学科卒業
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感想・レビュー
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うたまる
2
「自分を傷つけると、すごく気分がよくなるのだ。ずっとではないが、しばらくは。自分を傷つけると、次に傷つけるまで数週間もつ。最初に痛みを感じ、そのあともしきりに目のまえの傷に触れたり見つめたりすることで、すべてを気にせずにいられる」……大学時代からリストカットを繰り返した著者の、自傷と治療の体験記。オーストラリアならではのイージーライフや精神障害に対する理解がプラスに働く反面、蔓延するドラッグや成功に対するプレッシャーなどがマイナスに作用している模様。終盤に落ち着きを見せ始めたことに、なんかホッとした。2014/07/25
ゆきんこ
1
苦しんでる人の気持ちを完全に理解することは難しいと思うけど、表には出てこない部分でどんなことが起こっているのか少しでも知ることができたような気がする。なにもわからない状態でいるのとは大きな違い。最後の大きな変化に安心した。2015/10/24
K
0
★★★★☆
