内容説明
かつて大ヒット商品を発明したことから、次の研究にも大きな期待を寄せられるエリート研究者・早崎の前に、ある日突然“分身/ドッペルゲンガー”が現れた。すべては仕事の疲れによる妄想だと思い込もうとする早崎だったが、ドッペルゲンガーは不気味な死の臭いを漂わせながら自らの欲望に忠実に暗躍し始める。研究を成功させるため、そんな分身と運命を共にせざるをえなくなった早崎は、次第に彼の乱暴な行動力を利用するようになっていく。弟の分身に悩む由佳、早崎の分身に雇われた君島、会社の上司も巻き込んで、早崎と分身の奇妙な二人三脚はどこへ向かおうとするのか?そして彼は死へのカウントダウンを止めることができるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
junne
1
最近の文学シーンでは視点移動がちょっとしたブームのようなのだが、実はこれはそれよりだいぶ早く、しかもより面白いことをやってるのではあるまいか。2015/11/09
無添
1
挫折。ノベライズ2014/09/04
イズム(清瀬泉夢)
1
これを読む少し前に東野圭吾先生の分身を読んでしまったので、正直な感想としては物足りないものを感じてしまいました。この作品は映画で見たほうがよかったかな?一人称が常に俺なので、どちらが話しているか混乱してしまったりして少しめんどくさくなってしまいました。まだまだ自分の読書力が足りないためかもしれないですが・・・ラストはもう少し盛り上がって欲しかったです。まぁノベライズなので映画を見てみようと思います。2013/04/04
crpsclr
1
黒沢清監督作『ドッペルゲンガー』(2003年)のノベライズ。「俺があいつであいつが俺で」という風に、主体とドッペルゲンガーの語りが明確に区別されないまま物語が進む。これは物凄い文体実験なのではないだろうか。少なくとも、小説という形態でしかできないことをやっているように見えるので、未見の映画も観てみなければ、と思った。結末は、「主体を形成するものは何か?」という哲学的問いかけに、一つの解答を出しているように見える。陰であるはずのドッペルゲンガーの方が断然陽気という面白さがある。2010/08/29
WESTRIVER
0
★★