内容説明
メディアは遺伝子の身体器官である。デジタルを触覚する新たなメディア論の出現。最先鋭メディア論者が、21世紀デジタル革命を精査(スキャン)するマルチメディア・アフォリズム。
目次
序論―デジタル・メディア論への視座
ヴァーチュアル・リアリティという「現実」
デジタルとは何か
コンピュータ、マルチメディア、ネットワーク―定義とイメージをめぐって
デジタル・コミュニティと反重力消費社会
メディアとしてのイメージ―写真における視線の変遷
情感のデザイニング―ゲームとは何か?
感覚対視覚
テレプレゼンス―デジタル世界におけるコンテクストと感覚能力
デジタル・デイザイア―エレクトロ・センソリー・パーセプション〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
常磐条(ときわとおる)
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メディアは人間の身体を拡張すると同時に、不可視の情報を脳に投影する。人と人、創造と現実の間で物語を運ぶベクターである。しかし妙なことに、美術館においてメディアをつかって革新的な表現を達成している作品に出会うことが少ないのはなぜなのか。ベクターとして、ある程度は予定調和、想像力を大きく超え過ぎないことを求められるせいか。それとも、デジタルメディア上で何かを表現した場合、時間的連続性としての物語から逃れられないからなのだろうか。見えないものを見る、聴こえる以上のものを聴くというところまでは未だ遠いようだ。2013/06/15