内容説明
今、スペインでは宗教と祖国の一体性へと導いた中世後期からの歴史過程を負の遺産として評価しようとしている。一四九二年は、スペインが中世に栄えていたイスラームとユダヤの豊かな文化を喪失した年、スペインがカトリック的宗教統一に向かって閉鎖的な社会になっていった年として記念され、あわせて多文化共生の重要性が強調された。歴史的記憶は大きく塗り替えられている。
目次
1 自然条件
2 先史時代・ローマ時代
3 西ゴート王国の時代
4 イスラーム・スペイン
5 キリスト教スペイン
6 カトリック両王期
7 ハプスブルク朝スペインの時代
8 一八世紀スペイン
9 19世紀スペイン
10 王政復古から内戦まで
11 フランコ体制
12 民主化の過程と現在