内容説明
昭和から令和へ半世紀におよぶフィールドワークと理論研究の結晶。トヨタ生産方式の原型、阪神大震災の実像、戦後日本の自殺の諸相、農業危機への対抗、平成大合併と市民自治。現場に生きる人々との対話(イデアの交流)から近未来につうじる社会理論(ロゴス)を織りあげる。
目次
第1部 現場で苦闘する農民・労働者・住民の群像(「みかん危機」のもとで苦闘する農民―兼業化と脱農、そして集落的結合の弱体化;「トヨタ生産方式」のなかで苦闘する労働者―組立ライン労働者の労働生活と疎外;乱開発の住宅地で苦闘する住民―木賃住宅の町に住み合う人びとのまちづくり;研究方法論1 ゲゼルシャフトリヒとゾチアール―社会構造分析と社会過程分析の統合へ;町内会はコミュニティなのか―「住縁アソシエーション」としての町内会 ほか)
第2部 社会の混迷のなかで繰り広げられるイデアの交流(「日本的なもの」への視角―両面的心性と羞恥の構造;現代日本における自殺の諸相―デュルケーム『自殺論』の射程;堕落する「世俗の神」=貨幣;新しい貨幣は可能か―新しい未来社会を構想する;「里山資本主義」の意味と連帯経済の可能性 ほか)
著者等紹介
岩崎信彦[イワサキノブヒコ]
神戸大学名誉教授。1944年生まれ。京都大学文学研究科博士課程(単位取得退学)。高野山大学、立命館大学をへて神戸大学文学部に在職・定年退職。専門は社会理論、地域社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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