内容説明
多民族国家エチオピアは若年層の都市流出や高齢化の進展の中たくましく人々が生きている。女性個人の土地保有権を保証する特徴的な土地政策を考察し、1990年代から現在に至るまでの農村社会の変容と人々のエスノグラフィからアフリカ農村の来し方と行く末を考える。
目次
農村に変化をもたらすもの―課題の設定
第1部 エチオピア概観(エチオピアの政治体制の変遷;EPRDF政権期の経済・社会構造の変化;調査地/調査方法について)
第2部 土地獲得のための戦略と限界(EPRDF以前の土地制度の変遷;土地再分配と女性の土地保有権;土地管理制度の整備―国家による農村のとりこみ;農村における土地制度の実践―土地不足の中で創られる新しい慣習)
第3部 「町」の役割―受け皿と中継点(「町」における経済活動;「町」から変わる若い女性のライフコース)
農村変容と若者の選択
著者等紹介
児玉由佳[コダマユカ]
アジア経済研究所主任研究員。博士(地域研究)。専門はエチオピア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
11
1991年以降のエチオピア北部における農村社会の変容を、国家の土地管理制度の変化に関連して解明している。EPRDF政権は従来の世帯主が土地を保有する制度を、個人に保有権を付与する形に変更した(土地の再分配制度)。それにより女性が土地を保有できるようになり、離婚して別の土地へ移っても元の土地保有権は維持されるようだ。一方で、土地の細分化や土地不足の問題もあり、農村外へ移住し非農業就労に従事する特に女性の割合が増えている。国家の土地政策と地域の慣習との兼ね合いなど、長期にわたる調査研究の成果が窺える。2025/11/16




