内容説明
東京の隣にある「秘境」…これは深い。深すぎる…。
目次
第1部 埼玉の地勢学―古代から現代まで(川と道;山岳信仰と修験;江戸から明治へ―埼玉県の誕生と近代化の諸相;「ブラタモリ」で紹介された武甲山の石灰岩―秩父のセメント産業;「国道一六号線」から考える)
第2部 埼玉の産業・文化―魅力の源泉(埼玉の産業集積;埼玉のメディアを「観光」する;埼玉の古社・古寺;風土が育てた文学者・石井桃子;埼玉のスポーツ)
第3部 埼玉イメージの形成―「静」と「動」のダイナミズム(県民性からみた埼玉;埼玉が生んだ偉大なる実業家―渋沢栄一;埼玉は「住みやすい」か;埼玉の鉄道;災害と防災)
著者等紹介
井坂康志[イサカヤスシ]
埼玉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。ものつくり大学教養教育センター教授。専門は経営学・社会情報学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
古くも新しい、観察するほど新たな表情 「雑居性」と「秘境」 多様な地形、変化に富んだ自然環境 歴史と文化の多層性 都会に近い貴重な自然、農業と治水の歴史 秩父を中心とした古からの信仰 埼玉県の誕生 (明治9年) 埼玉大学の三つの源流 セメント産業を支えた白い岩 レンガ造りの歴史を今に伝える 古秩父湾の存在、大型海獣の化石 「翔んで埼玉」との関連、首都圏における位置づけ 氷川神社 (武蔵国一宮)、式内社、古寺の歴史と文化財 「近代日本経済の父」、思想と事業 江戸時代の治水事業、関東の地形を変えた大工事 2025/04/15
小池 和明
0
とにかく面白かったです。以前読んだ「国道16号線」を思い出しました。地勢学、産業・文化、イメージの形成と埼玉の魅力、小ネタを余すことなく教えてくれます。→なぜ浦和は埼玉郡ではなく足立郡なのに、埼玉県となったかというと、もともと埼玉郡に属する岩槻に県庁を置く予定だったから。浦和レッズのエンブレムには鳳翔閣(埼玉師範学校校舎)が描かれているのは師範学校に着任した細木志朗氏が初めて蹴球部を設立したから。埼玉県庁が昭和23年10月に火事で全焼したが、公金不正利用の証拠隠滅で放火したとか暗い過去も初めて知った。2025/06/15
Kazuo Ebihara
0
「埼玉県」を多くの専門家を集め、学術的に捉えた本書。 纏めたのは、ものつくり大学教授でドラッカー研究家の井坂康志氏。 『国道16号』の柳瀬博一氏も寄稿している。 第一部は、古代から現代までの地勢学的分析。 第二部は、産業、メディア、寺社、文学、スポーツなど、産業、文化論。 第三部は、県民性、渋沢栄一、アニメ、鉄道、防災と雑多な切り口。 多種多様な記事があり楽しめたが、 各論が短過ぎ、深掘り出来ていない点が残念だった。2025/03/26
あたおろち
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硬め、の埼玉学の本。秩父、武甲山まわりの内容はさすがの硬派2025/03/16