内容説明
技術の発展は倫理的問題を引き起こし続けているがその背後にある哲学的な意味についての考察は不十分。本書では世界的に注目を集める技術哲学の基本を学び技術が人間や社会に与える影響を深く理解するための土台を築く。日本語による初めての本格的なテキスト。
目次
序章 技術哲学とは何か―技術哲学の問題圏
第1部 技術哲学の理論(技術と哲学―技術を哲学的に問うことを考える;技術と政治―人工物と人間との関わりを考える;技術と歴史―福島原発事故はなぜ起きたのか;技術とデザイン―デザインの論理・不完全性・可能性)
第2部 技術哲学と社会(AI―夢と現実;ロボット―責任ある仕事をどこまで機械に任せるべきか;テレプレゼンス―コミュニケーションメディアは人間関係をどう変えるか;農業技術―スマート農業は何を目指すのか;宇宙開発―月が生活圏・商業圏になるときのために)
第3部 技術哲学と環境(気候工学―環境問題の技術的解決に関する倫理問題;都市―三つの「技術」から考える;遺伝子ドライブ―生物と生態系を操作する技術;ゲノム編集作物―自然における突然変異と同じなのか;原子力発電―どのように発電すべきか)
著者等紹介
金光秀和[カネミツヒデカズ]
法政大学人間環境学部教授。博士(文学)。専門は技術哲学、技術倫理
吉永明弘[ヨシナガアキヒロ]
法政大学人間環境学部教授。博士(学術)。専門は環境倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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富士獣
4
具体的で幅広いケーススタディ付きの技術哲学の入門書。 工学部の学部生向けの「技術哲学」「技術倫理」講義の叩き台に良いけど、内容が技術的にも哲学的にもかなり表面的で、独学には向かなそう。 例えば「AIのバイアス」について「人間のバイアスを学習して差別的な出力をするようになった」事例だけ載っていても価値のある議論はできず、「適切な設計でむしろ人間よりもバイアスやノイズのないAIになったケース」の論文や、Explainable AIの動向を自分で調べなければ、論考のスタートに立てない。 2025/01/18
デューク
1
「技術哲学とは、私たちの生活に不可欠な技術が、人間や社会にもたらす意味を哲学的に考察するもの」。そう語る筆者による、技術哲学の入門書。 技術の発展は、我々の生活を豊かに、快適に、便利にし続けている。だがそれが、様々な倫理的問題を引き起こしているのもまた事実である。では技術の持つ意味をどのように考えればよいか。この分野における、日本語での初の教科書であり、技術に関わる人は必読の一冊。おすすめ2025/02/03
Go Extreme
1
技術哲学とは何か─技術哲学の問題圏 技術哲学の理論: 哲学─技術を哲学的に問う 政治─人工物と人間との関わり 歴史─福島原発事故 デザイン─デザインの論理・不完全性・可能性 技術哲学と社会: AI─夢と現実 ロボット─責任ある仕事をどこまで任せるか テレプレゼンス─人間関係をどう変えるか 農業技──スマート農業は何を目指すか 宇宙開発─月が生活圏・商業圏になるとき 技術哲学と環境: 気候工学─環境問題の技術的解決・倫理問題 都市─三つの技術 遺伝子ドライブ─生物と生態系を操作 ゲノム編集作物 原子力発電2024/09/26
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