内容説明
生活における快適さ(comfort)は時代によってどのように変遷してきたか。マルサスが唱えた愉楽の標準(standard of comfort)を軸に、J.ステュアート以降、J.S.ミル、マーシャル、ヴェブレン、ロバートソンなど9人の経済学者たちの思索を辿る。
目次
序章 「愉楽の標準」と経済学者たち―思索的水源としてのT.R.マルサス
第1章 奢侈的な豊かさは幸福を意味するか―J.ステュアートの嗜好の標準と生存の標準
第2章 商業社会における幸福の世俗化―W.ペイリーと幸福の平等配分論
第3章 「悪習」と「困窮」に対する「動機づけ」の政策思想―D.スチュアートにおける「愉楽の標準」に焦点を当てて
第4章 生活標準論の真相―T.R.マルサスにおける「貧窮の標準」と「愉楽の標準」との相違
第5章 多様な私有財産制の可能性と政府の役割―J.S.ミルの『経済学原理』における幸福と適度な「快適の標準」
第6章 進歩の源泉を求めて―A.マーシャルの生活標準への途
第7章 ゆたかさと不平等分配―T.B.ヴェブレンにおける「品位の標準」が意味するもの
第8章 余剰と余暇―J.A.ホブスンにおける分配の人間的原理
第9章 経済の進歩、変動、格差―D.H.ロバートソンにおける「安楽の標準」と「生活の標準」
著者等紹介
柳田芳伸[ヤナギタヨシノブ]
1954年、兵庫県宍粟市生まれ。長崎県立大学名誉教授。経済学博士(京都大学)。専門は人口論史(とくにマルサス)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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