出版社内容情報
塚田修一[ツカダシュウイチ]
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内容説明
相模原、厚木、海老名、大和、座間、そして町田…これらは「何もない郊外」と評される地域です。本書は、そんな横浜でも、川崎でも、湘南でも、鎌倉でもない、いわば「じゃない方」の神奈川(と東京)を、歴史・文化・生活様式・ランドスケープの視点から深掘りします。
目次
第1部 “舞台”としての相模(上古の相模を求める旅―秦氏の水路を遡る;せめぎあう空間としての相模―幻の「相模湾上陸作戦/相模防衛戦」を通して;フッドとしての相模原―NORIKIYOを中心に ほか)
第2部 “生きられる空間”としての相模(相模原における女性の暮らし―近代女性の「聞き書き」を読みながら;「さがみ」は、誰に住み良いか―語りのなかからみえてくるもの;モール化する相模大野―「普通のまち」に開かれた商業施設を作る ほか)
第3部 “ランドスケープ”としての相模(「町田」を生んだ道を歩く―鎌倉街道と多摩丘陵;巨大インフラの隣で暮らす―「五差路の橋本」から「リニアの橋本」へ;パチンコ店がある風景―相模原の「ありふれた景観」の形成について ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayana
7
期待以上の収穫だった。この本の趣旨は、消費的な観光や散歩のススメなどではなく相模の歴史や空間を人文学的にガイドするというものだ。1946年に予定されていた幻の相模湾上陸作戦、郊外のストリートから東京に反抗するラッパー、話題になった事件を巡る場所的考察、開拓の時代を生きた人々への生活の聞き取り、川向こうに取り残された青線の残跡。「顔のない街」「ファスト風景」と形容される街にも、その街なりの奥行きがあるのだ。興味深く読んだ。2024/03/06
marino
2
相模原に行く予定が有り手に取ってみた本。 歴史的箇所は難しく感じたが勉強になりました。 映画「大和(カルフォルニア)」にも興味を持った。 2025/06/12