内容説明
論理学は、数学・計算機科学・言語学・哲学などの諸分野と密接に関係しつつ、「推論の正しさ」という切り口から人間の思考について考える学問である。本書では現代的な論理学を初学者~中級者向けに解説。理系・文系の枠を超えて学べる入門書である。
目次
第1部 計算と表現(古典命題論理(1)―論理式で計算する
古典命題論理(2)―推論の妥当性
様相論理(1)―可能世界意味論
様相論理(2)―対応理論
古典述語論理(1)―量化子
古典述語論理(2)―多重量化
古典述語論理(3)―計算と表現
第2部 正しい論理を求めて(厳密含意の論理―古典論理を批判する;直観主義論理(1)―数学的構成
直観主義論理(2)―真理と様相
多値論理―真理値は2つで十分か
関連性論理(1)―3項関係
関連性論理(2)―構造規則・状況推論
様相演算子としての否定
著者等紹介
大西琢朗[オオニシタクロウ]
京都大学学際融合教育研究推進センター人社未来形発信ユニット特定准教授。2012年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・論理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
12
まさか自分が生きてるのが「非Aの世界」だったとは。。ギルバート・ゴッセンもびっくり。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E8%88%AC%E6%84%8F%E5%91%B3%E8%AB%962022/01/14
あ
3
遅ればせながら読了。京大の純哲の講義を書籍化したみたいな感じ。本書出版後は講義内容が変わったのか、今年は様相論理の完全性定理がテーマになってた。本書は様々な非古典論論理の意味論を幅広く扱っており、特に和書で関連性論理に触れられるのは本書ぐらいしかないと思うので貴重。2024/08/07
愛楊
2
教養課程ほどの哲学的論理学の教科書。モデル論による論理学である。 第Ⅰ部は古典論理と様相論理に関する。第Ⅱ部は厳密含意・直観主義論理・多値論理・関連性論理・スター関数などの非古典論理に関する。 本著は論理学の入門書ではない。論理学には数理論理学と哲学的論理学、論理学の哲学の三種があるが、本著は特に哲学的論理学に関する教科書である。哲学的論理学は哲学的な命題を論理学で表現する分野であり、反例モデルの構成などの証明や他の体系への埋込み2023/12/01
Go Extreme
1
計算と表現: 古典命題論理(1)―論理式で計算する 古典命題論理(2)―推論の妥当性 様相論理(1)―可能世界意味論 様相論理(2)―対応理論 古典述語論理(1)―量化子 古典述語論理(2)―多重量化 古典述語論理(3)―計算と表現 正しい論理を求めて: 厳密含意の論理―古典論理を批判する 直観主義論理(1)―数学的構成 直観主義論理(2)―真理と様相 多値論理―真理値は2つで十分か 関連性論理(1)―3項関係 関連性論理(2)―構造規則・状況推論 様相演算子としての否定 2022/01/24
minaokukita
0
非古典論理、哲学的論理学の分野において活発な研究を行っている著者による論理学の入門書。非古典論理の分量が厚く、証明論は思い切って削り意味論メインになっているのが特徴。とにかくStraight to the Pointという感じで、簡潔かつ明快である。その一方で通常の入門書にはないマニアックな話題もさりげなく紛れ込ませていて初心者をこっそり沼に引きずり込もうという悪だくみが見える。論理学にはまる素質のある人にはヒットすること請け合い。2021/11/20
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