目次
第1部 放射線影響評価の作為性(世界大戦期ドイツにおける戦場医学と放射線防護の発展;ABCCの被爆者調査―治療と調査をめぐる攻防;隠匿されたビキニ水爆実験被ばく者;“乗り越えられなかった壁”――一九五〇年代末~六〇年代初頭のソ連における放射線影響研究)
第2部 放射性物質をめぐる確執(フランスにおける初期の核燃料サイクルの歴史―使用済核燃料再処理と高速増殖炉の蜜月時代;英国の「周縁」オークニー諸島におけるウラン採掘抵抗運動―ローカリズムと越境的連携の模索と葛藤;チェルノブイリ原発事故後のドイツとフィンランド;マンハッタン計画国立歴史公園における展示の現状――ハンフォード・サイト周辺地域の歴史を中心に;トリウム熔融塩炉開発の歴史と現在;日本における核燃料物質「加工」事業の歴史的展開―― 東海村・住友金属鉱山・JCO臨界事故)
第3部 福島第一原発事故とその後(「低線量長期被ばく都市・フクシマ」の十年―住民として、研究者として暮らす;福島原発事故後の日本で起こったこと、これから世界で起こること―放射線の健康影響をめぐる科学論争と政治;住民の被ばく線量データを扱った論文の撤回;フクシマ核惨事とオーストリアの反原子力政治;気候変動の否認と原発ルネサンスの夢―ドイツ極右のエネルギー・プロパガンダ;ドイツにおける医師の平和運動)
座談会 核とコロナ
著者等紹介
若尾祐司[ワカオユウジ]
1945年生まれ。現在:名古屋大学名誉教授
木戸衛一[キドエイイチ]
1957年生まれ。現在:大阪大学大学院国際公共政策研究科教授、日本平和学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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