出版社内容情報
並木誠士[ナミキセイシ]
京都工芸繊維大学教授
目次
第1章 “酒飯論絵巻”の概要
第2章 絵巻の時代(絵巻とは?;やまと絵と四大絵巻;絵巻の諸相;絵解と画中詞;小括―「絵巻の時代」の終焉)
第3章 風俗画の時代(「風俗」を描くこと;新しい画題の成立―洛中洛外図;近世初期風俗画の展開;江戸時代―浮世絵への展開;小括―「風俗画の時代」の幕開け)
第4章 ふたたび、“酒飯論絵巻”(「酒飯論絵巻」研究史;再考:“酒飯論絵巻”の作者と制作年代;“酒飯論絵巻”の特質)
著者等紹介
並木誠士[ナミキセイシ]
1955年東京都生。徳川美術館学芸員、京都大学助手、京都造形芸術大学助教授を経て、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授、同大学美術工芸資料館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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健
8
ふとネットで目にした『酒飯論絵巻』。しっかり見てみたいと思い図録とか探したけど特に見つからず、で、たどり着いたのが本書。美術系の専門書って難しいから敬遠しているんだけど、この本は中々面白かった。日本画の主流が「絵巻」から「風俗画」へ転換していくその切っ掛けになった作品だと位置づけて、様々な作品を引き合いに出しながら立証していく。へぇ~って話が満載で、日本画について知らなかったことが色々分かり大変面白かった。2024/12/04
ホンドテン
1
図書館で。聞き慣れない、文化財指定もない地味な作品ながら表題とおりの価値を説く研究。主張の妥当性は素人に判断できないが先行研究史概説のⅡ、Ⅲ章は日本美術通史上、個別の作品をどこにはめ込んで関連性を理解するのか、大いに役立った。中世絵巻を量産した画工司、近世風俗画がもたらした現実(写実ではない)への眼差しの変化、ついでに愛らしい「雀の小藤太絵巻」いずれも新知見。ついでながら酒飯論絵巻の描き手と目される狩野派の始祖「古法眼」狩野元信の存在しかり。2018/08/30
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