出版社内容情報
岡村康夫[オカムラヤスオ]
山口大学教育学部教授
目次
第1部 『世界時代』について(「根源存在者の展開の歴史」としての「学」の構想―序について;「思想の深淵」としての「過去」―序に続く部分について;「根源存在者」の本質構造―第一部について;「根源存在者」の展開の可能性―第二部について;「根源存在者」の展開の可能性―第三部について;「根源存在者」の展開の現実化―第四部について;結論部について;後半部について)
第2部 『世界時代』以前と以後について(直接性(直接経験)―『哲学と宗教』について
主体性・実存性・無底性―『自由論』について
無底的自由―『シュトゥットガルト私講義』について
脱我性―『学としての哲学の本性について』
消極哲学から積極哲学へ―『最近の哲学の歴史に寄せて』について
超経験的なものへ―『哲学的経験論の叙述』について
思惟の沈黙―『顕示の哲学への序論あるいは積極哲学の基礎づけ』について)
著者等紹介
岡村康夫[オカムラヤスオ]
1951年山口県岩国市生まれ。京都大学大学院文学研究科宗教学専攻単位取得修了。現在、山口大学教授、教育学部(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bevel
2
世界のはじまりを考えるとき、自然のうちに、みずからを作る自然(例えば神の創造)と実際に作られた自然(存在する世界)の区別が存在する。この根源的な「否定」と「肯定」の関係について、ポテンツ論やキリスト教の語彙によってイメージ化するシェリングの『世界時代』という著作のレジュメを切り、シェリングのキャリアに位置付けるもの。この原初にある根源的差異を人間的認識において埋めることができるのは宗教的直観に関わる出会いしかないという結論は凡庸だと感じるけど、その過程は日本語で読めるものが少ないこともあり意義がある。2019/11/02




