内容説明
中国で深刻さを増す環境汚染の実態とは?大気汚染、産業公害、廃棄物問題、気候変動問題。どう発生したのか、なぜ対策が実行されながら解決に至らないのか。現地でのフィールドワークをもとに解明する。
目次
序章 現代中国における環境汚染への視座―本書の狙いと目的
第1章 「最悪の大気汚染地域」をめぐる政治経済学―貧困・開発・北京オリンピック
第2章 「癌村」とペットフードの繋がり―産業公害の背景にある「グローバル経済」
第3章 廃棄物・資源・汚染の狭間で揺れる政策―E‐Wasteリサイクル拠点としての中国
第4章 気候変動問題への責任は果たせるか―進む体制構築と制度の「見切り発車」への懸念
第5章 4兆元景気刺激策と中国版グリーン・ニューディールの実態―環境保全と乱開発の混沌
第6章 補助金と指令の環境政策―太陽熱温水器の爆発的普及と低炭素都市政策
終章 グローバル・イシューとしての中国環境汚染
著者等紹介
知足章宏[チアシアキヒロ]
京都大学学際融合教育研究推進センター・アジア研究ユニット研究員、立命館大学・関西大学非常勤講師。専門:環境経済・政策学、環境ガバナンス、中国の環境問題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
27
最大の汚染源かつ被害地域となった河北省(22頁)。産業公害、重金属汚染(鉛・クロム・カドミウム・マンガン・水銀)多発(52頁)。癌症村、すなわち、癌村。恐ろしいことである。生存権が確保されないのだから。化学工場に隣接する興隆村では、毎年6~7人が癌で死亡するため、死亡村(55頁)。ペットの餌の高栄養化が人工合成ビタミン(ビタミンK3)の需要拡大、有害汚染を排出する大半が雲南省農村地域で行われていたことが明らかとなった(69頁)。2016/02/27
takao
0
ふむ2025/08/17