目次
序論 インド社会運動の捉え方
第1部 社会運動の長期的展開(農民運動の一〇〇年―宗教・社会改革、キサーン、社会主義;「不可触民」のジレンマ―非バラモン運動における包摂と排除;産児制限運動の複相的展開―危険なリプロダクションへのまなざし;新州設立運動の系譜学―オディシャー州西部における反平野意識の形成;過去を同定する―ダリト運動における歴史)
第2部 「世界最大の民主主義」の射程(暴力革命の将来―インドにおけるナクサライト運動と議会政治;トライブ運動の個別化―先住民族による自治権要求の変遷;突破口としての司法―清掃カーストの組織化と公益訴訟;ホスト国インドへの接近―チベット難民運動の新展開;開発と神霊―土地接収とブータ祭祀をめぐるミクロ・ポリティクス)
著者等紹介
石坂晋哉[イシザカシンヤ]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科客員准教授(人間文化研究機構地域研究推進センター研究員)。専門は南アジア地域研究、社会学。2015年4月、愛媛大学法文学部准教授着任予定(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
3
若手・中堅のインド研究者による「社会運動研究」の論文集。研究会を十分に重ねた成果として、力作ぞろいで読み応えがある。いずれの論考も「弱者や被抑圧者、被従属者」、一言でいって「サバルタン」に注目する。具体的には、農民、被差別民(いわゆる不可触民)、女性、部族民、開発被害者、極左運動、難民。こうした人々の生活世界と社会運動を、現場に寄り添いつつ紹介していく。その際、キーワードとして「民主主義」「民主化」が立てられている一方、個別の運動がおかれる百年間ほどの歴史的背景を描くところにも力点がおかれる。2019/11/28
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