内容説明
社会史、思想史、政治文化論、ジェンダー論などの成果を基礎としながら、公共圏の歴史的構造と機能に注目し、「公」に関わる独自の伝統を形成した近代イギリスの新たな一面を照射する。
目次
1 歴史研究と公共圏概念(イギリス史研究における公共圏概念の登場)
2 公論形成の過程(報道と公論―死刑囚の伝記;公的言説圏の複数性―18世紀イギリスの哲学と数学の言説をめぐって)
3 公共圏の構造(民間団体と議会―工芸振興協会の18世紀中葉の活動から;地域社会における公共圏―交錯する公式性、共同性、公開性;女性・公的領域・公共圏―第二次世界大戦期における同一補償要求運動と女性議員)
4 公共圏の機能(「上品な」公共圏―ロンドン、ナショナル・ギャラリーにおけるイタリア・ルネサンス絵画コレクションを中心に;宗教と公共性―アイルランドにおける宗派間対話の事例から;民衆政治における公共圏―新聞・集会・パブが形作る労働者階級の公共圏)
5 新しい公共圏の創出(協同組合からガバナンスへ―ウェッブ夫妻にみる公共圏と公共性;民主的計画化と公共圏―第二次世界大戦期の住宅改革と中間団体)
著者等紹介
大野誠[オオノマコト]
1952年愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在、愛知県立大学外国語学部教授。イギリス近代史・科学史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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