上海租界興亡史―イギリス人警察官が見た上海下層移民社会

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  • サイズ A5判/ページ数 355,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784812208403
  • NDC分類 222.21
  • Cコード C0022

出版社内容情報

大英帝国の公僕であった、ある無名のイギリス人の生と死に関する波瀾万丈の物語を通して、大都市・上海の激動の歴史を浮き彫りにする。

内容説明

世界中の未公刊公文書と本人の書き残した書簡、写真を駆使して復元した無名のイギリス人警察官の人生を通して描く、上海租界の歴史。従来の中国近代史、日中関係史、治外法権社会のイメージを一変させる問題作。

目次

大英帝国の世界
上海に来るまで
上海一九一九年
上海工部局警察
上海の私服刑事
「男になることを学ぶ」
「古き良き中国」の終焉
われわれの知りえないこと
大英帝国世界内での漂流
大英帝国の法的死亡
後日談
われわれは死者である
追記 二〇〇八年

著者等紹介

ビッカーズ,ロバート[ビッカーズ,ロバート][Bickers,Robert]
1964年生まれ。ブリストル大学上級講師を経て、同大学歴史学教授。専門は大英帝国史、中国現代史。Empire made meは、2004年アメリカ歴史協会のAHA賞受賞

本野英一[モトノエイイチ]
1955年生まれ。東京大学文学部東洋史学科、同大学院修士課程、博士課程修了。大学院在学中に、香港大学語言研修所、オックスフォード大学大学院留学(D.Phil取得)。東京水産大学専任講師、助教授を経て、早稲田大学政治経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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スカイバニラ

4
優秀だが差別主義者でキレやすく、祖国イギリス嫌いなR・M・ティンクラーの生涯と、その同僚達の困窮する経済状況から、同じ同僚ではあるが白人ではない為に付き合い方を注意しなければならない現地人警官との関係。英国から職を求め上海に来たが落ちぶれていく人々。これら英国人集団の1919年から共同租界の終結までを描いた共同租界史。第2次上海事変時の工部局警察の対応や、戦争勃発後の租界運営に日本人が関わっていく過程等、興味深い内容が多々あり面白い本でした。ただ、訳文に「?」と思う箇所や誤字等も少々ある事が残念です。2009/04/18

hika

2
上海租界の一人のイギリス人警官の人生をたどることを通じて、上海租界の実態そして「大英帝国」という歴史的現象の一側面を描き出す。大英帝国というものが単なる領土的制度的な概念ではなく、人間の心性の経験としても考えるべきであるということ。上海租界のリアルな姿を知る資料としても貴重。2009/06/09

garth

2
第二次世界大戦前上海租界に生きた一人の警官の足跡を追うことで国際都市上海の歩みを浮かびあがらせる。大英帝国の海外臣民とはひとつの文化を作り上げる存在だったのではないかということ。2009/06/01

poppen

1
斜陽にあった大英帝国を支えた「英僑」の一人である警察官ティンクラーの生涯を彼が残した手紙や様々な資料、証言などから浮き彫りにし、その姿を通してかつて存在した上海租界の実態を描く出す野心作。これまで知られることのなかった上海租界に住む労働者階級の英国人たちを描いたという点で、貴重な資料になっている。個人的には、大戦期に敵国であるはずの日本の下で英国人たちが行政府を運営したということ事実が非常に興味深かった。原著からしてもともとそうなのか、訳が下手なのかは分からないが、読みにくい文章なのが玉に瑕2009/05/25

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