内容説明
文化人類学は、フィールドワークを通して、他者を理解し、さらに自文化=自分自身を見直す営みである。しかし、時には予想外の出来事にとまどい、立ちつくし、絶望することもある。本書は、若き文化人類学者たちが、失敗談も含めて、フィールドワークでの体験を明かす。困難があってもなおフィールドに立たずにはいられない、あくなき探究心がそこにある。
目次
文化人類学の新たなはじまりに向けて
第1部 人類学をはじめる―他者を知る(フィールドはいかに選択されるのか;少女の瞳と少年のおちんちん―異文化ショックから文化人類学へ;表象の彼方へ―出会いそこね続ける「ジプシー」のために)
第2部 人類学をはじめる―自分を含む集団を知る(「マンチャー人類学」への一歩―アフリカ、沖縄経由、ハワイ・オキナワへの旅;「難民」を通じて移動を考える―北タイ雲南系華人の事例から;文化人類学者はフィールドで病気になる)
第3部 フィールドワーク中に―おおいに悩む(邂逅と往還のフィールドワーク―エチオピア山地社会での経験から;「わたしのもの」は誰のもの?―エチオピア農村社会の「所有」をめぐるフィールドワーク;フィールドにおける『超常性』のとらえかた―ガーナ南部の小人祭祀を事例として)
第4部 フィールドワークの“終わり”に―他者と通いあう(私とフィールド、そして文化人類学;フィールドが被災地になる時;調査の終わりとハードボイルド・ライティングカルチャー)
著者等紹介
李仁子[イインジャ]
東北大学大学院教育学研究科専任講師
金谷美和[カネタニミワ]
日本学術振興会特別研究員(国立民族学博物館)
佐藤知久[サトウトモヒサ]
京都文教大学人間学部文化人類学科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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