内容説明
本書は国際文化学の今日的課題について、モデルネを軸として「ヨーロッパ文化と“日本”」を論じることにより応答しようとする一つの試みである。身体系・芸術系・社会科学系・人文系のものが、ヨーロッパ諸国と“日本”(日本が植民地化した領域およびアメリカ占領下の沖縄をも含む)をフィールドに、生き、考え、創造し、喜び、嘆き、憤ったひとびとの姿を論じた。
目次
第1部 モデルネの開花と展開―伝統/近代/反近代(初期バロック絵画の視の方法―カラヴァッジオと一六世紀ロンバルディアの美術理論および「観想」;機械に宿る理想―フランス世紀末の女アンドロイド;アイルランド独立蜂起にみるナショナリズムとテロリズム―パトリック・ピアスを死へと駆り立てたものは何であったか ほか)
第2部 隣接性のモデルネ―東西の境界を超えて(「新しい天地」を求めて―『アントニーとクレオパトラ』をジェンダーで読む;『大地の歌』から見た東洋―マーラーにおけるエキゾチズムと東洋思想;「近代の超克」と「東洋人の時代」―生田長江の「超近代」 ほか)
第3部 モデルネとナショナリズム(国民化のなかのジェンダー―日本・中等教育段階の国語科;現代インドネシアにみる「近代」の暗黒と日本;戦争・占領と文学―隠蔽と亡霊 ほか)
著者等紹介
田村栄子[タムラエイコ]
生年、1942年。佐賀大学文化教育学部教授(国際文化課程)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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