内容説明
苛酷な運命に引き裂かれた地。かつては神聖ローマ帝国、ハプスブルク帝国、ポーランド=リトアニア王国などの支配を受け、現代ではナチズムや冷戦などに蹂躙される運命を共有した。この土地の歴史を、もう一度ひとつの世界として描く試論。
目次
中央ヨーロッパ歴史地図
第1章 フロンティアのプロテスタントたち―近世バルト海地方の宗派的ネットワーク
第2章 ロシア帝国沿バルト諸県の農村民衆初等教育―バルト・ドイツ人による教育支配から「ロシア化」へ
第3章 中央ヨーロッパにおけるユダヤ人ナショナリズムとシオニズム
第4章 ブコヴィナのユダヤ系ドイツ語文学―「第二のディアスポラ」を支えるハプスブルクの遺産
第5章 バルト・ドイツ人の再移住―国民国家形成期のエストニア人とバルト・ドイツ人の関係
第6章 失われた世界へ―東ガリツィアの戦間期からホロコーストまで
第7章 「新しい中央ヨーロッパ」はどう構想されたか―「アウトサイダー」たちのヨーロッパ
展開 祈りは聞き届けられたのか―一五世紀リトアニアとポーランドの聖人崇敬
著者等紹介
大津留厚[オオツルアツシ]
1952年生まれ。神戸大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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