内容説明
本書では、専門的な政策問題を詳細にとりあつかうことはしていない。著者らの関心はもっと基本的なところにある。たとえば、公共政策に関連する問題が発生する。すると、その問題の解が発見されるだろう。さらに、その解にもとづいて一定の政策的アクションがとられることになるが、その政策的アクションは社会にどのような影響をおよぼすであろうか。本書では、こうしたベーシックな問題をとりあつかうことにした。
目次
第1部 プレリュード(政策領域の再考察)
第2部 分析の準拠フレーム(厚生経済学;公共選択;社会構造論 ほか)
第3部 認識論の類型(テクニカルなフレームから認識論へ;実証主義;漸進的社会工学 ほか)
第4部 選択(フレーム選択のための視点;政策デザインへむけて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
「ウォルツァーは歴史的な調査にもとづいて戦争行為に見られる普遍的な道徳原理を探求する。それによると…戦争の倫理が存在する。歴史的な偉人も一般の兵士も同じように自分の行動を説明しようとする…ナチは巧みな手法を駆使してホロコーストを偽装し、否定しようとした。このことはナチが自らの行動の非道徳性を認識していたことを示している。ウォルツァーの帰納的分析からいくつかの普遍的原則が浮上する。意図的に民間人を傷つけるな、尊厳を傷つけない仕方で捕虜を取り扱え、脅威にさらされているとき以外は他国を侵略するな、などである」2015/06/08