内容説明
「高度成長期の中でウルトラマンに、いや、私たちに殺されなければならなかった怪獣たち。ウルトラマンが放送されていた時、私は小学校の低学年でした。殺される怪獣はかわいそうだ、そう思いながらも、ウルトラマンが無事に怪獣を「征伐」してしまうと、ほっとして寝についたものでした。」半世紀以上の時を経て、私たちは、いまだにそれら怪獣たちに鎮魂歌を送っていないことに気付かされる。新型コロナ禍に帰天した詩人がそうした想いを自らに重ね合わせたユニークな詩集が、あのゴジラもまた被爆者であることに想いを馳せる遺稿を増補して、ここに復活!
目次
ジャミラ祈念日(バルタンの星(バルタン星人)
ジャミラ祈念日(ジャミラ)
271号(ダダ)
ゲスラの海(ゲスラ)
ピグモンは眠るか(ピグモン) ほか)
被爆者ゴジラ(被爆者ゴジラ;香り;咆哮;アトミック・ソルジャー;温泉ペンギン1 ほか)
著者等紹介
松本賀久子[マツモトカクコ]
1962年4月6日兵庫県尼崎市に生まれる。2021年3月27日COVID‐19罹患により帰天。ロンドンホームズ協会会員。日本詩人クラブ会員
原田実[ハラダミノル]
1961年広島県生まれ。1991年5月3日軽井沢聖パウロ・カトリック教会にて松本賀久子と挙式。歴史関係の著書・論考多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bugsy Malone
59
2000年に出版された「ジャミラ祈念日」に「被爆者ゴジラ」を加えた増補版。収録されている怪獣たちに贈られた鎮魂歌は、どれも高度成長や原水爆を、その原因となった人類というものを痛烈に皮肉り批判しながら、犠牲になった怪獣たちに想いを馳せたもの。繰り返してはいけない、人間の身勝手で決して繰り返してはいけない、そう叫んでいるかのように感じます。著者の松本さんは2021年にコロナに感染、58歳という若さで逝去されました。ご冥福をお祈り致します。2023/02/09
Tkc Knk
1
【☆☆☆☆】【2022年】 「肌で知っている」とはこのことか。2023/08/29
Kuliyama
0
ジュンク堂の冊子で紹介されていて手にしました。作者と同年代のウルトラ怪獣世代で納得しながら拝読しました。お亡くなりになられたと知り、心よりご冥福をお祈り致します。2023/06/08