内容説明
前原正治・金井直は、「緑の歌・道」(本来の生命の記憶、死者の叡智が支えている生者の歩み)を希求し、立ち帰る造形を創出した。同時に戦災死者の告発・遺志も招魂し、人の罪責を剔抉して、裁きの磁場から回生(リルケからの回生)する瞬間も透視する。さらに神品芳夫は、この新水脈をいち早く紹介し、自らの詩作において固有の「自然詩」を創出している。前原正治、金井直、神品芳夫、三人の詩人の真髄に迫る!
目次
1 前原正治(前原正治詩集『緑の歌』―“緑”に溶け合って生命の本源を開く;前原正治の変身―樹木的姿勢の岐路 ほか)
2 金井直(金井直の〓の詩;金井直の花の詩)
3 神品芳夫(詩集評 神原芳之(神品芳夫)『青山記』―よみがえる想像力
神品芳夫の近作 ほか)
4 戦後詩の新水脈(真相を研ぎ澄ます―山本みち子の風刺;岡城阯の紅葉―後藤信幸と共に ほか)
5 研究と詩作の歩み(研究と詩作の歩み)
著者等紹介
坂本正博[サカモトマサヒロ]
1949年北九州市小倉南区に生まれる。北九州市立大学外国語学部中国学科卒業。研究主題:リルケからの回生―戦後詩の新水脈、前原正治・金井直。金子光晴からの変容の系譜。現代詩人の研究(村野四郎・村上昭夫・神品芳夫・山本みち子・冨長覚梁・本多寿・頼圭二郎)等。中国東北地区(旧満洲国時期)の文学。牛島春子。「村野四郎語彙・イメージ辞典」に、1992年度文部科学省研究費補助金を受ける。著編書:『金子光晴「寂しさの歌」の継承―金井直・阿部謹也への系譜』で、第一四回詩界賞(日本詩人クラブ、2014年)。所属学会・会員:日本近代文学会、日本詩人クラブ、敍説舎(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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