内容説明
シュルレアリスムは、第一次大戦後、ブルトンが中心となってフランスで興した芸術運動だが、それは、自己や自己の居場所の喪失を踏まえた上での、「絶対」希求の運動として、一個人、一時代を超えた普遍性を所持している。この本は、その普遍性を見据えつつ詩や詩人を論じた注目の書である。
目次
序詩 蝉の手紙
1(「うまきこと、へたの如し」という言葉と東洋の心―詩の技術をめぐる一考察;詩と居場所の喪失―清岡卓行の詩と詩的営為をめぐって;存在のはかなさと彼岸の花としての詩―内山登美子詩集『天の秤に』をめぐって;「見者」の体験と「見性」ということ―ランボオと東洋の心)
2(山村暮鳥詩集『聖三稜玻璃』の前衛性とその挫折をめぐって―超現実とc´ommon s´enseとのかかわりをめぐる一考察;シュルレアリスムと東洋の心―西脇順三郎の所説を踏まえて)
3(詩と疎外とのかかわりをめぐる一考察―暗号の解読と詩人であるということ;詩と生命とのかかわりについて;シュルレアリスムと「生きる」ということ―無意識の「無」と、無心の「無」とのかかわりを踏まえて)
著者等紹介
佐久間隆史[サクマタカシ]
1942年東京生まれ。1964年早稲田大学文学部国文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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