目次
らせん階段
象の墓場
ゲイリー・ギルモアの眼
こわれたかばん
姉弟
供炎
たなかさん
秋
みずたまり
道〔ほか〕
著者等紹介
伊藤浩子[イトウヒロコ]
2008年『名まえのない歌』(土曜美術社出版販売)。日本現代詩人会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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平成おっす
4
すさまじい破壊力で意欲的に既成の詩を壊していっています。素晴らしい、これこそ文学だと勇気づけられました。作者の伊藤浩子さんをご紹介します。1971年生まれ、富士見市在住の詩人。詩と思想新人賞を獲ってデビュー。今年度、鮎川信夫賞を受賞。小柄で素敵なお姉さんです。2017/03/25
Cell 44
1
「秋は確実にその色合いを深めていった。(誰かが何かを)奪い返そうとしているのだ。」(「秋」)フレイザー『金枝篇』をエピグラフに掲げた前半と鈴木健『なめらかな社会とその敵』をエピグラフにした後半に分かれる。前半には物語性の濃い散文詩が多く、改行詩も後半の作品より一行の息が長く、また作風も寓話的。前半にも後半にもラカンの引用される詩篇があって、ついつい寓話的な物語と深層心理の関係を思ってしまう。しかし夢幻的、神話的というよりもあくまで現代の社会、家族の寓話という印象が強い。ホラーな感じの詩篇が好みだった。2017/08/11