内容説明
この詩人の内部にある坩堝には、火口の溶岩流がたぎっている。それらの形質は時として、今までの日本の詩には場違いなほど独特。その秘密は詩的言語がすべて彼女自身の特異な日常体験に根ざしていること、借り物ではない点にひそんでいる。
目次
序詩 何かが喉を駆け上がり
ゆらぎながら
束ねた花が朽ちはじめる
睡眠と覚醒を繰り返し
無実の罪を纏うのはいつも少女
横たわればやがて慰霊祭
くちうつしされる
ひとつぶの
儀式を覚えたころ
声変わりの予告に耳をふさいで〔ほか〕
この詩人の内部にある坩堝には、火口の溶岩流がたぎっている。それらの形質は時として、今までの日本の詩には場違いなほど独特。その秘密は詩的言語がすべて彼女自身の特異な日常体験に根ざしていること、借り物ではない点にひそんでいる。
序詩 何かが喉を駆け上がり
ゆらぎながら
束ねた花が朽ちはじめる
睡眠と覚醒を繰り返し
無実の罪を纏うのはいつも少女
横たわればやがて慰霊祭
くちうつしされる
ひとつぶの
儀式を覚えたころ
声変わりの予告に耳をふさいで〔ほか〕