感想・レビュー
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warimachi
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凄絶までの土着の魂魄にひたすら圧倒されるーー「(おら一生ここでくらすの やだ)」(p.8)「今はオレも一人前の百姓/金のない貧乏はとりかえせない」(p.12)「老婦よ、哭け。寡婦よ、哭け。息子を殺された哀しみを泣け。天皇陛下を泣け。むらの男たちを泣け。暮しゆきたたぬ茅葺き屋根を泣け。/夜ごと腫れやまぬ乳房の痛みにさけべ。土間の暗がりから籬棒を振りかざしてさけべ。/還らない軍靴の響きに向って叫べ。そしてあらがえ。/垂れさがる軒の端から顔のぞかせるむらの仕うちに、朝も、昼も、夜も。」(p.98)2011/08/13