目次
高校生へ 「貧困」と「野宿」の社会的背景
教職員へ 「ホームレス」襲撃は、路上の「いじめ」
中学生へ 生きててくれてありがとう―襲撃・いじめをなくすために
著者等紹介
生田武志[イクタタケシ]
一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット代表理事。『フリーターズフリー』編集発行人。野宿者ネットワーク代表。大学在学中から釜ヶ崎の日雇い労働者・野宿者支援活動にかかわる。2000年、群像新人文学賞評論部門優秀賞受賞。2001年から各地の小中学・高校などで「野宿問題の授業」を行なう
北村年子[キタムラトシコ]
一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット代表理事。ノンフィクション作家。自己尊重トレーニングトレーナー。子どものいじめ・自死をなくしたいと十代200人を取材したデビュー作『少女宣言』が話題をよぶ。1990年、釜ヶ崎「こどもの里」に出会い野宿者支援にかかわる。2010年、女性人権活動奨励賞・やよりジャーナリスト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ぼっこれあんにゃ
7
◎ホームレスは状態を表す言葉であり、ホームレスという種類の人はいない。どんなに頑張っても定職につけずホームレスになってしまう人が出てくるのはイスとりゲームと同じ、構造上の問題。そんなホームレスを根拠なく差別する大人の言動の影響を受け、ホームレスを襲撃する子供達が出る。いじめとホームレス襲撃の根は同じ。自分を肯定できず、自分の価値が感じられないとき、子供達は辛くなって、誰かを否定して攻撃したくなる。ありがとうという感謝の言葉で子供を全肯定し、自尊感情を育んでいくことが大切。2014/01/20
まーなん
3
住む場所を失い路上で暮らす人々はホームレス状態ではなく「ハウスレス」状態にある。彼らは自分と同じ境遇の人々と公園などで共に暮らし、助け合える「ホーム」という精神的な拠り所があるからだ。ではホームレスの人間とは誰を指すか。それは、自分の悩みや不満を親や友人に打ち明けられずにいじめの加害者になったり路上生活者を襲撃してしまう、「ホーム」を持たずハウスだけを持つ子どもたちである。2014/02/10
かい
3
人権教育は多用であるべき かつ現代的課題に立ち向かう子どもを育てるためにはホームレスを教えることは重要。 大人社会の矛盾が現代の人権問題には溢れている。2013/11/01
菜の花
1
看板に偽りなし。「ホームレス」問題に取り組んだり、解決策を考えたりは一切せず、「現状をどのように子どもに教育し、蔑視からくる子どもによるホームレス襲撃を止めるか」に集中する本。思い込みからの差別や、不安や不満が弱いものへ噴出して暴走すること、いじめ問題などについて、なるほど、という点多し。押し付けがましさが気になるものの、すでに見方が一方的になっている事案に対する教育というのはそういうものかもしれません。ホームレス問題そのものの解決にはまったく寄与はしませんが、考えるきっかけにはなります。2014/01/20
さじお
0
ホームレスは人じゃなく状態。なりたくてなっている人はいない。 人にかけた毒は自分に返ってきて自分を長い間苦しめる。 子どもが人に毒をかけないよう親ができることは、ありのままの自分を愛せる声がけ。 くさい、きたない、こわい。それは事実のときもある。そんなこと言ってはいけない!と頭ごなしにいうより、じゃあなんでくさいんだろう?と一緒に考える話し方は勉強になった。なかなかできない。2023/07/29