内容説明
認知症の祖母を施設から連れだしたクレマンスは、ある場所を探して旅に出る。愛おしい記憶、願望と喪失、性、老い…。疾走の果てに探しあてたものは―。
著者等紹介
ガラン,アリックス[ガラン,アリックス] [Garin,Alix]
脚本家・漫画家。1997年、ベルギー(ナミュール)生まれ。幼いころからBD(バンド・デシネ)に惹かれ、バカロレア取得後、リエージュの聖ルカ芸術高等学校にてBDを学ぶ。2017年、サン・マロで開催されたケ・デ・ビュル祭にて「若き才能」賞を受賞。2018年よりPR会社にイラストレーターとして勤務しながら、本作品の制作を始める。デビュー作となる本作品で、2021年France Culture学生選考BD賞、2021年ベルギーFnac BD賞、2021年バベリオ賞(BD部門)、2021年ヴィクトール・ロッセルBD賞を受賞
吹田映子[スイタエイコ]
教員・研究者。1982年、青森県生まれ。2019年より自治医科大学医学部総合教育部門(文学研究室)に勤務。専門は画家のルネ・マグリットを中心に19世紀末から20世紀にかけてのベルギー美術およびシュルレアリスム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
92
主人公が認知症の祖母を介護施設から連れ出し、祖母の幼少時代の家を探しに旅に出る。形式はグラフィックノベルで、カット割りや視点切り替えは至って映画的なのでロードムービーを観ている感覚にさせる。表情のデフォルメが日本漫画に比べてかなりラフで、軽快な温かみが目立つ。主人公と祖母の社会的疎外感の重なり、時間軸の自在な往還、場面毎の基調変化が軽妙なテンポに豊かな彩りを添えている。性描写が唐突すぎてセクシュアリティのテーマ性が、愛、老い、死、記憶などに比べて浮いたものに感じる。ばーばの末路に含意を持たせる余韻がいい。2024/10/29
ネギっ子gen
58
【でも…ばーばの尊厳はどうなるの?】ベルギーのBD作家のデビュー作。BD(ベデ)とはフランス語圏での漫画の呼称でバンド・デシネ(描かれた帯)の略語。透明感のある絵柄が素敵で、味わい深い内容。推薦! 母親の「ばーばが逃げた」のメールから話が始まる――。祖母は孫のクレマンスに訴える。「ここにはいられない。パパとママ、心配し過ぎて死んじゃう。私のこと待ってるんだもん! どうしてダメなの? いやだよ、なにも悪いことしてないのに」と。悩んだ挙句にクレマンスは、認知症の祖母を介護施設から連れだし、車で旅に出ます……⇒2023/12/07
たまきら
45
読み友さんの感想を読んで。祖母に育てられた主人公が、認知症が重くなり施設に入所した祖母を連れて旅に出るお話です。様々な記憶が、顔を腫らしメガネが割れている主人公の語りが、断片的につづられ、読みながら自分がどこにいるのかわからない感覚を覚えました。「正しさ」に揺れる主人公を透き通るようなどこか頼りない色使いで表現しているのも夢見心地な世界に貢献しているようです。映画「ロング,ロングバケーション」を思い出しました。2023/11/08
くさてる
22
ベルギーの作家によるバンドデシネ。認知症の祖母を施設から連れ出した主人公。現実と認知症の世界をさまよう祖母と過ごす彼女の中にも鬱屈と哀しみ、迷いがあって……という内容。現在から過去を振り返る構成でミステリぽくもあって、真実はどこに?という余韻も残して良かった。2023/08/30
おーすが
8
ベルギーの漫画家さんのBD(ベデ、というらしい)。認知症の祖母と私が思い出の家を目指す、ロードムービー的内容。きれいにまとまりすぎてて、なんだかなと思うし、後味も悪い。若さゆえの感傷でおばあちゃんが。そもそも嫌われてる母親、そんなに悪いことしたかい?2023/09/26
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