内容説明
彼には、ちょっと変わった癖やこだわりがある。そこには彼の世界がつまっている。その無数のこだわりのなかに、ヒロの「秩序」があるのだ。ダウン症の兄・ヒロの日常を大学生の妹が淡々と描きだす。距離をつめない愛がこぼれる観察的イラストエッセイ。
目次
あさ(起床;ソファでまったり;ひとり笑い ほか)
ひる(学園へ到着;時間の感覚;作業 ほか)
かこ
よる(帰宅;帰りの車中;あ・うんの呼吸 ほか)
著者等紹介
佐藤美紗代[サトウミサヨ]
1990年、神奈川県秦野市生まれ。2013年、武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。現在、カナダで暮らし、ソーシャルワーカーになるため、ダウン症や、自閉症などの発達障害について勉強中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
千穂
36
ダウン症の兄を大学生の妹がイラストと文章で綴る。兄の変な行動や癖にイラっとさせられていたが、次第にそれを個性として見られるようになる。兄はそのこだわりや癖をとおして人間性を形成している。兄には兄の秩序があり、私にも秩序がある。また他人にもあって当然だろう。なるほどなぁと思いました。2017/09/11
gtn
27
このような人によく使われる「こだわり」という言葉は、元々ネガティブなニュアンスがあるため嫌悪していたが、「ちつじょ」と言い換えているのがいい。本能に忠実なヒロさんを通し、人には善性が備わっているということを再認識する。2021/02/23
みーなんきー
26
ダウン症のお兄さんの生活を、そのままの形で描いた作品。ダウン症が家族にいるというのは、見かけ以上に大変なご苦労もあるだろう。しかし、競わず、自分のペースで、他人を悪く思う事なく生きている人間の存在は、周りの誰もに癒しを与え、自分自身に主眼を置いていきるきっかけを与えると思うので、うまく言えないが、勉強になる。鬱やノイローゼの人とダウン症の人とを同じ空間に、住まわせてみたら相乗効果で何か良い化学反応が起こるのではないだろうか?2018/01/13
Iku
15
職場の先輩からいただいた本。ダウン症の兄ヒロの日常を描いたイラストエッセイ。癖はあるけど、愛らしい存在。母とのあ・うんの呼吸もステキでした。2017/07/05
shizuca
8
とても興味深い本でした。障がいを持つお兄さんのことをしっかり見て(彼はなぜその行動をするのか、彼は何を考えているのか、彼の好物はなにか、など)、しかも綺麗事ですましてないところがとても好感をもてました。そしてお母さんが大物です。つよいです。障がいを持つ方との接し方が、身近にいないのでどうしてよいのかわからず、毎度自分の無知にショックを受けるので、この本は障がいを持つ方への理解のきっかけになると思います。知らないということは、怖くて相手を遠ざけて見えないようにしてしまうので、もっと知れたらなと思います。2019/02/14
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