内容説明
なぜ、共生しなければならないのか。日本社会において共生は、どのように捉えられているのか。われわれは問題状況にどうかかわりうるのか。いま、もっともアクチュアルな4つの論題から読み解く。
目次
ナショナリズム(保守言論における「日本」と「危機」―カテゴリの更新を拒む言説とその限界;歴史教育内容の現状と、伝統の学び方のこれから;沖縄におけるネイションの位相と米軍基地)
ケア―ジェンダーと障害(ジェンダーカテゴリとマイノリティ―父子家庭が問いかけるもの;子育てとはいかなる営みか―責任・担い手の変容から;障害者権利条約からみた新たな意思決定支援)
世代(「青壮年/高齢」の区分をめぐって;世代間経済格差と世代間共生―共生策としての共助)
社会意識(「共生」にかかわる社会意識の現状と構造;戦後日本の社会学にみる学知の更新―『社会学評論』における「共生」言説の量的・質的変遷)
著者等紹介
岡本智周[オカモトトモチカ]
筑波大学人間系(大学院人間総合科学研究科)准教授。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。専門分野:教育社会学、共生社会学、ナショナリズム研究
丹治恭子[タンジキョウコ]
立正大学仏教学部准教授。筑波大学大学院博士課程人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻修了。博士(ヒューマン・ケア科学)。専門分野:教育社会学、幼児教育・保育学、ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
22
共生概念は難しい。しかし、社会をただ解釈するだけでは、共に生きることはできない。そこが物足りなく感じた。2019/08/28
yo
1
大変面白い本だった。ナショナリズム、ケア、世代、社会意識それぞれの項目がどういった事柄で、どういう問題を抱えていたか説明が為され、区分やカテゴリ自体の更新にも言及されていく。 自分自身がカテゴリに分類した際に劣位に置かれるような人間だが、それでもこうして本の中で他の項目に触れた際に自分が何処かでは差別的であることを感じたり、 カテゴリ化されたどちらか片方を持ち上げたりする事は本来の目的や要求とは外れてしまうし、平等から程遠いということを改めて認識できた。体験としてよい読書だったしまた再度読みなおしたい!2020/03/09