内容説明
援助交際、ネットカフェ暮らし、OD(オーバードーズ)…。夜の街を漂流する少女たちは何を考え、どこへ向かうのか。3000人以上の少女から話を聞き、彼女らを支えるフリーマガジン『VOICES』編集長・橘ジュンが伝える、“危うい少女たち”の日常と素顔。
目次
1章 街に立つ(歌舞伎の子―ヒカリ;少女を求める男たち;夜明けのSOS―アーニャ ほか)
2章 自分に罰を(隠れた傷あと―ユウ;声にならない叫び―カオリ;VOICESマガジン始動)
3章 夜の彷徨(夜の街で見つけて―チサト;家なき少女―アイ;初めての決断―アコ ほか)
著者等紹介
橘ジュン[タチバナジュン]
ライター。『VOICESマガジン』編集長。1971年、千葉県生まれ。十代の終わり、暴走族のリーダーとして取材を受けたことをきっかけに、ビデオ・レポーターやルポ執筆の活動を始める。2006年に街頭から声を伝えるフリーペーパー『VOICES』を創刊。これまで少女たちを中心に三千人以上の声を聞き、伝えつづけてきた。『スーパーJチャンネル』『NONFIX』などテレビでの活動紹介多数。メールやウェブサイトにも少女たちからの声・相談が多数寄せられている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だーやま
4
売春や援助交際がセーフティーネットとして機能してしまうのは「女性を買う」男性がいるからで、女性自身も女性を買う男性がいると認識しているから。 夜の街を彷徨っている子たちには複雑な背景や家庭環境があり、良くも悪くも大人が子供に与える影響は大きい。 何もできなくてもただ話を聞いて、そばにいて相手に関心を持つことができる大人になりたい。2022/05/17
訪問者
3
夜の街を彷徨う少女たちの声を聴き続けてきた筆者によるルポ。しかし一番印象に残ったのは、彼女たちを本来支援しなければならない行政との距離の遠さである。支援者と支援する人がちゃんと結びつくような仕組みが必要だろう。2019/04/03
あっちゃん
3
歌舞伎町や渋谷の繁華街をさまよっている「少女」と呼ばれる年齢の女の子たちに聞いた話を集めた本。自分もそんな年代を通り抜けてきたから、不安な気持ちは少しわかる気がするけど、彼女たちはなにかがもっと切実で、家を出たり援助交際したりしちゃうのかなぁ。自分の娘がこんな風になってしまったらどうしていいかわからないだろうな・・・。2010/10/23
山ろく
2
ルポ。夜間女性専用ネットカフェを拠点に少女たちの支援活動を行う著者は、夜の歌舞伎町を渋谷を新宿を歩いては気になる子を見つけて声をかける。居場所も行く当ても頼れる大人もなく街に出てきた10人余との邂逅から浮かび上がるのは、カラダを商品にすれば稼げる現実と、過酷な家庭環境の中で育った彼女らの「売るしかない」という自己否定感。大人の手と居場所を差し出そうとする著者と、彼女らとのつながりも細く心もとない。予期せぬ妊娠出産を支えようとしても連絡を待つしかないもどかしさに心馳せながらも、現実の私の身の置き方に戸惑う。2019/09/16
いっちー
1
何かしらの事情で歌舞伎町へ。そこで、生活を求めるしかない、少女へのインタビュー集。自分には縁がなかった故に、少女を取り巻くセーフティーネットが、いとも簡単に壊れてしまうこと。関係性の大切さを改めて感じる。行政のサポートより、少女を食いものにする、大人(男)に頼るしか生きる術がない。解決策は、あるのだろうか?2016/10/26