出版社内容情報
高校生がメディアを逆取材インタビュー! 冤罪報道はなぜ起こったか。学校そばで起きた事件に疑問を抱いた高校生たちが報道記者の証言集を制作、過熱する事件報道の原点を読み解く渾身のドキュメント。メディア・リテラシー実践書でもある。
プロローグ 松本サリン事件発生
学校の目と鼻の先で事件は起こった
農薬調合ミス? 被疑者不詳の家宅捜索
第1章 もうひとつの学校──放送部、ニュースを追う
1 朝から晩まで協働クラブ
放送部は「もうひとつの学校」
先生、もしこの報道がまちがっていたら?
警察がまちがうと、メディアもまちがう?
今度はニュースがオウム一色に
2 部活は仕事場
地下鉄サリン事件で急転、いっせいに謝罪放送
表現作品は、つくって壊して再構築する
部活最初のハードルは親の反対
放送部の「甲子園」、NHK杯コンテスト
3 テレビ報道を追え
報道被害の当事者・河野義行さんを取材
高校生の実感ときり結ぶ取材の切り口はどこに?
新聞とテレビ、どちらを追うか
マスメディアができない取材をしよう
第2章 ニュースの裏側──現場記者を取材する
1 現場でなにが起こっていたか
取材しても、されることはないマスメディア
発生当夜から翌朝第一報まで
東京発で「薬品調合ミス」情報が入る
警察情報とキー局とのはざまで
現場記者には見えない全体像
河野さんr> 「相手を知る」ことで視聴者が変わる
信越放送を再取材する
3 マスメディアの「弱さ」
放送部のNHK取材をTBSが取材?
資料集制作に向けてNHK長野へ
「農薬調合ミス」情報は、なぜでたか
現場記者からの情報を、デスクはどう判断するか
批判ではなく、弱さを描いた
第4章 メディア・リテラシーの旅──批判を越えて
1 消えない壁
「ニュースの森」でビデオ証言集が放送される
突然の電話、あわてる記者からの要求は……
マスメディアは他人の批判は得意だが
2 授業もメディアだ
部員のきみたちが授業をすればいい
「教える」ことのプレッシャーがのしかかる
1時間め 初めての先生役に顔面ソーハク、脂汗
2時間め 映像実験を交えた授業に教室が沸く
授業って、双方向メディアだ
3 「受け手と送り手」再考
文化祭で一般の人を対象に公開授業
伝えれば伝えるほど拡大するギャップ
受け手と送り手が融合する仕掛けを探る
4 「記者の一日」授業づくり
記者の一日を密着取材して、授業をつくろう
もめる職員会、「超法規的に……」
プロの取材スタッフには
内容説明
高校生がマスメディアを逆取材。メディアのこの「弱さ」は麻痺を促進する。放送部員たちはその構造をみごとに露呈させた。本物のメディア・リテラシーへのヒントがここにはある。
目次
プロローグ 松本サリン事件発生
第1章 もうひとつの学校―放送部、ニュースを追う(朝から晩まで協働クラブ;部活は仕事場 ほか)
第2章 ニュースの裏側―現場記者を取材する(現場でなにが起こっていたか;「テレビは何を伝えたか」音声作品づくり ほか)
第3章 メディアの特性を知る―ビデオ証言集づくり(報道部長に聞く;メイキング・ザ・ビデオ証言集 ほか)
第4章 メディア・リテラシーの旅―批判を越えて(消えない壁;授業もメディアだ ほか)
エピローグ 十年めの放送部・保護者同窓会
著者等紹介
林直哉[ハヤシナオヤ]
1957年、長野県生まれ。高校教師。長男出産時のトラブルから、「ふつう」「みんな」という言葉に疑問をもつ。以後、放送部活動に関わり、だれでも知っているが簡単に答えられないテーマを生徒とともに掘り起こし、作品化してきた。学校づくり、コミュニティづくりの基盤として、生徒会と放送部の可能性の広がりに力を注ぐ。演劇「NEWS NEWS」「長野版オペラ魔笛」などステージ表現のプロデュースもおこなう。2000年から東京大学大学院情報学環に設置されたメルプロジェクトにリーダーのひとりとして参加、03年度より同機関に派遣され、メディア教育の可能性を研究している。長野メディア・リテラシー研究会事務局長、梓川高校教諭
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