出版社内容情報
ふつうの子どもたちがからだに閉じこめた闇はふかい。劇”孫悟空”製作上演のプロセスで子どもたちのからだに浮かびあがった孤独、苦悩、歪み、哀しさ……。私たちは、自分のこととしてどう受けとめ解決できるのか。子どもたちは、劇づくりのなかで再生へ向かう。
目次
1 「孫悟空」へ(「孫悟空」に向かって;「孫悟空」上演へ;子どものなかの闇の深さ)
2 現代の孫悟空たち(いじめたいからだ;ひとの眼を気にするからだ;忙しい、受け身のからだ;“できない”と言えないからだ;声をききわけるからだ;嘘をつけないからだ;みんなを支えるからだ;歌い、怒るからだ;拒否できないからだ;バシッと立つからだ)
3 孫悟空たちの争い(からだに沈澱する暗いエネルギー;明るみにさらされた陰湿な対立;孤立し、いじめられる優等生;争いあうもの同士がコインの裏表)
4 カメラが探索する「孫悟空」(レンズがとらえた現代の子ども像;芝居づくりのなかで人間関係のリストラ;子どものありようを決める親子関係;子どもを抑圧する親の価値観)