内容説明
本研究は1800年認可ベルリン製糖会社から1870年代の株式会社まで526定款の利益計算規定と、1840年代以降の約250営業報告書ないし決算報告、当時の法律や命令、論文等を研究対象として、19世紀ドイツの株式会社の配当利益計算実務を研究している。ドイツの生成期株式会社会計実務の研究を通じて、我が国企業会計理論の深化・発展に貢献するための手がかりを提示した。
目次
問題提起―企業経営で維持すべき資本は何か、企業経営上処分可能な利益は何か
19世紀ドイツの鉄道会社の利益計算
19世紀ドイツの株式銀行の利益計算
19世紀ドイツの保険会社の利益計算
19世紀ドイツの鉱山精錬会社の利益計算
19世紀ドイツの紡績会社の利益計算
19世紀ドイツの汽船会社の利益計算
19世紀ドイツのガス照明会社の利益計算
19世紀ドイツの製造会社の利益計算
19世紀ドイツの公共・公益会社の利益計算
19世紀ドイツの建設会社の利益計算
19世紀ドイツの(鉄道・銀行等以外の)その他会社の利益計算
1897年帝国上級商業裁判所の判例研究
シュトロームベック会計理論
1884年ドイツ株式法による取得減価評価の導入
初期株式会社の会計実務と企業経営上維持すべき資本の定義―現金収入余剰計算(現金キャッシュフロー会計)の提言
著者等紹介
川端保至[カワバタヤスシ]
1949年11月神戸市で出生。’71年関西学院大学商学部卒業。’76年神戸大学大学院博士前期課程進学、’78年同課程修了。’80年同志社大学商学部助手、81年同講師、’84年同助教授、2000年教授。現在に至る
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