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内容説明
わたしには両手がない。でも、声がある。―激しい内戦によって難民となった１２歳の少女が、ユニセフ特別代表として世界に声を挙げるまでを告白したノンフィクション。
著者等紹介
カマラ，マリアトゥ［カマラ，マリアトゥ］［Ｋａｍａｒａ，Ｍａｒｉａｔｕ］
１９８６年、西アフリカのシエラレオネに生まれる。１２歳のときに内戦の反乱軍に村を襲撃され、両手首を切断される。難民キャンプで生活しているときに男児を出産。男児は１０ヶ月で病死するが、赤ん坊を抱いた彼女の写真が英米の新聞で報道され、イギリスとカナダの篤志家から援助を申し出られる。カナダのトロント在住。ユニセフ特別代表に任命されている
マクリーランド，スーザン［マクリーランド，スーザン］［ＭｃＣｌｅｌｌａｎｄ，Ｓｕｓａｎ］
トロントを拠点に活動している、フリーランスの雑誌記者である。“ナショナル・マガジン・アンド・カナディアン・アソシエイション・オブ・ジャーナリスト”賞を含む、多くの調査報道や特集記事のための賞を受賞したり、ノミネートされたりしている。主に女性と子どもの問題について記事を書いており、２００５年アムネスティ・インターナショナル・メディア・アワードを受賞した
村上利佳［ムラカミリカ］
南山大学外国語学部英米科卒業。現在、児童書およびＹＡファンタジーの分野で活躍中。やまねこ翻訳クラブ会員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かいゆう
32
内戦は戦争よりも残酷だ。大統領への見せしめのために、村を襲い、略奪し、村民を殺し、生かせておいても四肢を切断する。静かに暮らしていただけの人々が、どうしてこんな目に合わないといけないのだろう。援助の手が差し伸べられるのはほんの僅か。子どもたちが安全な地域へ逃れられるのはいい事だと思ったけれど、残された大人たちはいつまでも貧しく、寂しさが募るばかりのよう。内戦は終わったけれど、根本的な問題は解決していない。教育を受けられるようになり、貧困や疾病から少しずつ遠ざかっていきますように。2015/11/30
梅ちゃん
19
2017.04.23 図書館で目についた背表紙のタイトル。これってどういう? その場で少し読んで、恐ろしく感じました。すぐに借りてました。母国の内戦で、村を襲った反乱兵、それも彼女と同年齢の少年兵に、両手を刃物で切り落とされた12歳の少女マリアトゥ。彼女の存在は驚愕でした。内戦で四肢切断た人がいることを知りませんでした。彼女が感た恐怖、絶望等は、この今の日本に住む私には想像もできません。でも感じて考えなければいけないと思いました。両手を奪われても、伝えてくれる彼女の為に、その他の苦しんでいる人の為に。2017/04/23
壱萬参仟縁
6
新刊コーナーより拝借。院生時代、シエラレオネからの研究員の方がゼミで顔合わせしたが、この国は悲惨らしい。内戦と最貧。人権や民主主義、治安のない国では生きられない。子ども兵士ってどういうことか。子どもは学校で勉強しているもの、という常識はこの国では通用しない。子どもに人殺しをさせる国が国として体を成すのか。両手をやられ、出血多量という描写（50ページ）。想像を絶する。子供をこんな目に遭わす国に未来はない。この間のアルジェリアテロも地理的に遠くはないので、これが世界の現実と愕然。しかも彼女は身籠り出産。壮絶。2013/02/10
くるり（なかむらくりこ）
3
「両手を奪われても」のあとに続く言葉とは、いったい何だろう。それこそが、この本のテーマ。マリアトゥに課せられた運命の過酷さを訴えるための話ではない。そこを生き抜いた彼女の強さの根本にあるものは何であるかを書いた話である。2014/04/29
ちい
2
起こったことを、運が悪かったこととして終わらせるか、這い上がり、人生を切り開いて運が良い自分になるか。それでも、やっぱり彼女は運が良かったのだろう。 カナダに少女を呼び寄せたジムは、なかなか無責任な大人だなと感じた。人の人生を何だと思っているのか。彼の行動を端にして、マリアトゥの人生が開けたのは確かだが、カナダに呼び寄せた後の、彼女を手離すに至った経緯が納得がいかない。少なくとも自分はあの国から出してやったと、傲りがあるのではないか。 読み終えた今、シオラレオネの現状が知りたい。2023/04/16
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