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内容説明
ホロコーストの過酷な迫害のなかで懸命に暮らし亡くなった子どもたちについてのエッセイ。現在を生きる子どもたちとともに分かち合いたい勇気と忍耐の物語となっている。
著者等紹介
アベルス,チャナ・バイヤーズ[アベルス,チャナバイヤーズ][Abells,Chana Byers]
エルサレムのナチス虐殺記念館(ヤド・ヴァシェム)で20世紀ヨーロッパにおけるユダヤ人の歴史写真からナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の歴史資料や写真記録などの蒐集分類する調査活動に関わる。アメリカのエール大学でビデオによる「ホロコーストの証言」を報告したことで広く知られる
おびただす[オビタダス]
飫肥糺。1945年1月、戦時下の中国大連に生まれる。47年、宮崎県に引き揚げ日南市に育つ。早稲田大学法学部卒。記者活動、月刊誌編集長などを経て書籍編集者に。歴史・文学・児童書の企画編集に永く関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
121
ナチスの台頭で何もかも変わってしまったユダヤ人の子供たちの生活。まず印を服に付けさせられ、仕事や学校を奪われ、家も奪われた。路地でうずくまり、寒いのに足はむき出しでボロをまとう子供たち。わずかに逃げおおえた子達もいたが、多くは収容所に送られ、亡くなった。彼らが追い込まれていく写真はどれも胸を打つが、表紙の男の子の背中が控え目に、だが強烈に彼らの状況を表している気がした。イスラエルに逃げ出せた子達の写真もあったが、それはパレスチナ難民の子供たちを思い出させ、複雑な気持ちにさせる。2016/03/25
扉のこちら側
71
2016年155冊め。ナチスドイツによるショア(ホロコースト)により殺害された子ども達についての写真絵本型エッセイ。写真はすべてエルサレムのヤド・ヴァシェム(ナチス虐殺記念館)所蔵の品。荒れ果てて人影もない街を歩く幼児の表紙に胸が締め付けられる。2016/03/06
アイアイ
18
平和だった子供たちの笑顔、ナチス侵略後に一変した世界が徐々に比較できる。 記録することに命をかけた無名のカメラマンたちが残した写真集と詩。 路上で寝て、寒空の中を裸足、母親から引き離される少年たち、フェンスの向こうの母はもう抱き合う事も出来ないのに 切ない笑顔を見せる。子を庇う母に銃を向ける兵士。殺されていった名も明らかにされていない子供たちの白黒写真に 言葉を失う。▽図書館2015/10/25
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
平和に過ごすことが当たり前なのに、普通の日常をあっけなく壊していく戦争。弱者にとってなすすべもなく命を守ろうとするも、それも奪い去る戦争。こんな事が二度と繰り返されないよう子どもたちに伝えていきたいメッセージです。ナチス・ユダヤ人・水晶の夜(クリスタル・ナイト)・ホロコースト・ジェノサイドなどの解説もあり、アンネ・フランクの話と一緒に紹介したい写真集です。2020/08/20
アキ
13
「ホロコーストの過酷な迫害のなかで懸命に暮らし亡くなった子どもたち」と「その真相を記録するために命を懸けた有名無名のカメラマンたち」に献じた写真絵本。それが、23年の月日を経て新版になった。文章に少し手を加え、写真の諧調が豊かになった分、「過去」というより被写体により身近な印象を持つようになった。子どもはいつでも時代を変えるエネルギーを宿している。それなのに、時代に葬られた子どもたちが居た。だから、この子どもたちを忘れてはならない、と以前の解説に代わり、訳者自らが筆を取った[あとがき]がそう結ぶ。2012/10/29