- ホーム
- > 和書
- > 児童
- > 読み物
- > 短編集・アンソロジー
内容説明
世界では争いが絶えず、戦争や平和に向き合わざるを得ない状況になっています。それはあたかも、「戦争がわたしたちを見つめている」かのようです。この本には、戦争を見つめた作家たちの作品がおさめられています。勇気を持って戦争を見つめ返し、ページをめくっていきましょう。
著者等紹介
宮川健郎[ミヤカワタケオ]
1955年東京都生まれ。児童文学研究者。立教大学文学部日本文学科卒。同大学院修了。宮城教育大学助教授等を経て、武蔵野大学名誉教授。一般財団法人大阪国際児童文学振興財団理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
93
戦争文学アンソロジー②戦争と原爆の恐怖をありありと感じる▽[夏の花:原民喜]原爆の朝便所にいて逃れた男は、原爆投下直後の町中を歩く[原爆詩集:峠三吉]にんげんをかえせ[石臼の歌:壷井栄]退屈だった石臼ひきに歌をつけた祖母[つるのとぶ日:大野允子]サダコの折り鶴に思いをはせ[鼓笛隊の来襲:三崎亜記]SF。鼓笛隊は心を響かせ群集を連れて行く[乾いた風:佐多稲子]長屋の住民は戦争下で次第に憎しみを育てていく[おはじき:宮川ひろ]疎開途中の汽車が停車し親族が見送りにくる▽三崎亜記だけが異質だけど新しい。良本2025/06/26
ままこ
65
新旧交えた戦争文学セレクション2巻目。サブタイトル(戦争がわたしたちを見つめている)が今現在の警告に思える。『夏の花』淡々とした文からより原爆の悲惨さが伝わってくる。『原爆詩集』はとにかく読んでて辛かった。SFファンタジー『鼓笛隊の襲来』は意思疎通の大切さ平和の本質が見えてくる。1番印象に残ったのは『乾いた風』長屋の人たちがの変化が描かれている。戦争によりこんなに人の心が歪んでいくのかとゾッとした。こわされるのはまちだけではなく人の心も。児童書コーナーにあったけど大人にも是非読んでほいしい。2025/05/29
たまきら
39
新刊コーナーより。もう二度とこの国の今を戦前にしてはいけないーその思いを強く感じる一冊です。既読のものも未読のものもありましたが、この言葉にふれた若い人たちがどこまで追体験できるか、共感できるか思わず考えてしまいました。全てをショートムービーでまとめる時代に生きている人たちへの継承のかたちを模索し続けないといけません。2025/06/28
ヒラP@ehon.gohon
21
戦争を題材にした短編集です。 原民喜、壺井栄、佐多稲子のような心重厚な作家に加えて、大野充子、宮川ひろの児童文学者も加えて幅広い捉え方をしているのは現代風でしょうか。 でも三崎亜記のSF的作品はよくわかりませんでした、鼓笛隊は敵の空襲部隊というよりも、台風のような気がして、この本の中では浮いているように思えました。 そんな中に、峠三吉の原爆詩集の詩が加わっていることに凄みを感じました。 どんな形であれ、若者の中で戦争が風化してしまわないようにとの取り組みは大切だと思います。2025/07/14
︎💓ひかる💓
4
先ず、見たこともない漢字が多く使われています、ふりがなはあるものの少し読みづらい。なんと言ったらいいのか…まさに地獄絵図です。一体、何歳の子に向けられて書いているのか。コレまでに何冊も読んできたから…でも、生きてる身体から蛆が湧くなんて…。"原爆詩集"では涙腺崩壊です。懐かしい、原爆の子の像は この思い出もいつの日かなくなるのかな?折り鶴のように…焼かれて。大きな出来事は知られてるが、電車の中でのことなどを私は知らなかった知れて良かった。それぞれの戦争ですね。平和な表紙の裏側は過去からの平和記念公園。2025/05/31