内容説明
「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」鮮烈な書き出しから、桜の神秘的な「美」を巡る幻視的な思考が紡がれていく―。梶井基次郎の名作短編の世界を、人気イラストレーターの奇烏が描く。
著者等紹介
梶井基次郎[カジイモトジロウ]
1901年大阪府生まれ。東京帝国大学英文科中退。第三高等学校に在学中から小説創作をはじめる。少年時代から肺結核に苦しみ、療養をとりながらも、1931年に初めての作品集『檸檬』を刊行。その翌年、31歳で亡くなる
奇烏[キオ]
滋賀県出身のフリーランスイラストレーター。SNSを中心に創作活動を展開。「人と人ならざる者」をテーマにイラストや漫画を制作している。美しくもどこか怪しい和風の作品を得意とし、人と異形が共に過ごす世界を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きり
4
桜の神秘的な「美」を巡る幻視的な思考。イラストレーター奇鳥さんの描く世界観が絶妙。「桜の樹の下には屍体が埋まっている」は、あまりにも有名な書き出しだが、イラストを観つつ読むことで情景がより鮮やかに浮かぶ。梶井基次郎の短編をいくつか読むのもいいが、ひとつをじっくりもいいものだ。「一体どんな樹の花でも、所謂真っ盛りという状態に達すると、あたりの空気の中へ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。」美しいを表現するのに、こんな風に書けるなんて!2025/07/09
はる熊猫
0
恥ずかしながら、初めて読んでこの小説は傑作だと納得した。なるほどウスバカゲロウの死体か。2025/05/08