内容説明
あなたの思いを、わたしのことばで伝えます。「ひろしま」を忘れない―「ワタシゴト」三部作、完結!
著者等紹介
中澤晶子[ナカザワショウコ]
名古屋市生まれ。1991年、『ジグソーステーション』(絵:ささめやゆき、汐文社)で野間児童文芸新人賞受賞。2023年、『ひろしまの満月』(絵:ささめやゆき、小峰書店)で産経児童出版文化賞を受賞
ささめやゆき[ササメヤユキ]
東京生まれ。1985年、ベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールにて銀賞、1995年に『ガドルフの百合』で小学館絵画賞、1999年に『真幸くあらば』で講談社出版文化賞さしえ賞受賞。多くの絵本・画集・挿絵をてがける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chimako
71
《大人の社会科見学事前学習》『ワタシゴト』完結編。修学旅行を終えた中学生がその経験を踏まえて活動する。原爆の語り部となった女性の肖像画を描き、あの日から帰らない語り部の妹の制服を縫い、語り部の友人が書いた詞にたまたま広島を訪れていた作曲家が曲をつけた歌を歌い、原爆だけではない被爆者を文章に現して朗読劇にする。現地で感じ学んだことが胸の中で発酵し、深い思いが沸き上がる。修学旅行が実を結ぶ。八月六日も八月九日も八月十五日も知らない知ろうともしない若者や子どもたちにどうやって残していくのか。難しい。2024/02/01
白雪ちょこ
10
シリーズ最終巻。 今回は、戦争を経験したことない若者達が主役となっていた。 恐ろしい戦争を経験した思いを、どうやって後世に伝えていくか、という考えさせられる内容となっている。 特に、子供や中学生なんて、恐ろしさは特にわからないだろうけれど、痛みや記憶を伝えることはできる。 それを、努力するかどうかの差だと思う。 描いて、歌って、演劇で、いろんな形でもいい。 苦しんだ人達の傷を、歴史を、絶対に風化させてはならない。 そんな思いを、考えさせられる素晴らしい最終巻となっていた。2024/10/14
︎💓ひかる💓
6
ワタシゴトは渡し事、私 事。これで三冊目です。伝え続けるって…だんだん薄まっていくような気がします。が、伝えなくてはいけないと思います。私は被爆二世ですが親からほんの少しだけしか聞いてません。私が学生だった頃に、はだしのゲンのマンガ本や母が幼い頃に黒い雨にあたった事ぐらいです。血液型を敵国だから、当時はエ型 ビ型 オ型と言ってたらしい。コレも、初耳です。2024/04/08
okatake
4
「ワタシゴト」シリーズ第3弾で、最終章 今回のテーマは、広島への修学旅行から帰ってきた中学生たちが、それぞれの形で経験を表現する。 描く、縫う、うたう、演じる 経験を定着するために、自分を通して新たに表出する。 すてきな修学旅行ですね。2023/11/07
てぃうり
4
遂に読み終えてしまった。子どもたちに戦争と平和について知ってもらうには、体験学習に尽きる、と思う。この本を読むことできっかけになるかもしれない。長年修学旅行で広島を訪れる学校の方針が素晴らしい。知りたくない子、みたくない子もたくさんいる中で、全く別の反応を示す子もいる。2023/10/28