内容説明
1945年8月6日、広島。生後8か月で被爆した紘子は、あの惨禍で顔にやけどを負った乙女たちと接する中で、原爆を落とした米軍兵士への憎悪を募らせていく。しかし、あるとき、B29戦闘機「エノラ・ゲイ」のパイロットに出会うことになり、その気持ちに変化が…。広島の惨状を世界に伝え、その復興に尽力した父・谷本清、ジョン・ハーシー、フロイド・シュモー、ノーマン・カズンズらとの絆を力に、世界平和を訴えて講演活動を続ける近藤紘子の物語。
目次
第1章 八月六日
第2章 生き残った者の使命
第3章 アメリカの善意
第4章 “お姉さんたち”、そして運命の出会い
第5章 ヒロシマとの決別と“和解”
著者等紹介
佐藤真澄[サトウマスミ]
広島県福山市出身。ノンフィクション作家、ライター。佐藤美由紀名義で一般書も執筆。児童書、一般書ともに「ヒロシマ」をひとつの大切なテーマとして執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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にたいも
6
生後8ヶ月、爆心地から1.1kmで被爆した紘子さん。紘子さんの視点から見た、父:谷本清牧師の被爆者救済活動。そして、原爆を投下したパイロットへの紘子さんの憎しみが「本当に憎むべきなのは、人ではなく、相手国でもなく、戦争そのもの」と変化するに至った経緯。ジョン・ハーシーやパール・バックなどがどのように、谷本牧師の平和活動に関わったかにも触れている。紘子さんの人生と共に歩むことで、戦後70数年の日本人がアメリカ人が原爆とその被害をどう見てきたかを概観できる読みやすい本だった。小学校4年生くらいから中高生にも。2023/08/20
︎💓ひかる💓
4
「ヒロシマ」の語り部として活動する近藤紘子さんの物語である。1945年8月6日午前8時15分原子爆弾(ピカドン)が炸裂し黒い雨が降った。エノラ・ゲイ、リトルボーイ、地獄絵図、原爆症、玉音放送、GHQ、ABCC、Person to Person(人から人へ)。 ジョン・ハーシーのルポルタージュ『ヒロシマ』によって「ヒロシマ」が誕生した。『安らかに眠って下さい過ちは繰返しませぬから』2024/02/23
ぱんだうにっこ
0
https://faces-hiroshima.com/koko-kondo/ 著者は三木市志染の教会に在住とのことで、阪神間でも講演をされている様子。 被爆者として、とても率直に語っておられ、わかりやすい。 「いつかその人たちを探し出して、噛みついて、パンチして、キックして、ボコボコにしてやるんだーっ!!と本気で誓っていたのよ」2024/05/09
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