感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
64
伝記絵本。物語に囲まれた少女時代を過ごしたアリスは、父が亡くなりフランスへ行く。カメラを作る会社に秘書として雇われ「動く写真」の宣伝のために映画を撮り始めた。ただの動画ではなく、物語を作りだしたアリスは様々な技法を編み出す。音をつけたり、色をつけたりのアイディアも出した。結婚しアメリカに渡ったアリスは撮影所「ソラック社」をつくる。しかし発展した映画産業は大企業に独占され、夫もハリウッドに逃げ出してしまった。アリスの撮影所は閉鎖され、フランスに戻ったアリスは自伝をつくる▽女性は不遇。再発見されるべき2023/11/22
papapapapal
42
「女性である」というだけで歴史に名を残すことが出来なかった、世界初の女性映画監督、アリス・ギイの物語。『動く写真がとれるカメラ』を宣伝するうち、『動く写真』そのものに興味を持ち始めた人たちを満足させるため、次々と物語を描き、驚くようなアイデアで映画を撮影! 結婚を機にフランスからアメリカに渡り、出産、会社を設立して撮影所の建設、そしてまたフランスへ。波乱万丈、嵐のような日々を彼女が楽しんでいた様子が、手に取るようにわかる。パワフルで、賢くて、ちょっとめちゃくちゃで…。アリスのこと、もっともっと知りたい!2020/09/16
たまきら
38
読み友さんの感想を読んで、寝る前の読み聞かせ。娘さんと「ええ~っ!」と驚きっぱなし。後書き「ディレクターズカット」まで堪能しました。男性社会の中で数人の理解者に恵まれ、しなやかにたくましく、そして男性の数倍にわたって努力しながら人生を楽しんだ女性の素晴らしい人生を娘とドキドキしながら追いました。2021/12/17
Cinejazz
21
世界初の女性映画監督として、フランス最高の栄誉であるレジオン・ドヌ-ル勲章を授与された、アリス・ギイ=ブラシェ(1875?-1968)の伝記絵本。アリスが初めて 「動く写真」の作品をつくったのは、勤め先のカメラの宣伝用であった。やがて映画はビジネスとなり、アメリカに渡ったアリスは映画製作会社を立ち上げ、700本を超える映画の監督を制作した。が、映画業界から女性が締め出されていき、映画史のなかに埋もれてしまった…。母国に戻ったアリス執筆の自伝が出版され、その功績を見直されていく、波乱万丈の物語。 2025/10/20
カラスノエンドウ
17
知られざる「映画の母」アリス・ギイの伝記絵本。女性であるが故に、彼女の活躍や功績は表に出ませんでした。巻末にアリスが監督した作品のあらすじが紹介されていて、どれもワクワクする内容ばかり!実際の映画を見たくなりました。あふれる才能と不屈の魂に感服。2020/02/16




