内容説明
サクラハナ・ビラ先生は、世界でただひとりの、さくら専門の精神科医。美しく咲くさくらにだって、悩みはあります。世界中のさくらからのSOSで、ビラ先生は大忙し。今日の患者はだれでしょう?さあ、さくらのカルテを開いてみましょう。
著者等紹介
中澤晶子[ナカザワショウコ]
1953年、名古屋市生まれ。1991年、『ジグソーステーション』(絵:ささめやゆき、汐文社)で野間児童文芸新人賞受賞。日本児童文学者協会会員
ささめやゆき[ササメヤユキ]
1943年、東京生まれ。1985年、ベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールにて銀賞、1995年に『ガドルフの百合』で小学館絵画賞、1999年に『真幸くあらば』で講談社出版文化賞さしえ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
p.ntsk
46
【春を感じよう 読書会】京都、ベルリン、福島と場所も雰囲気も異なる3つ桜の物語。やはり3番目の東日本大震災の影響を受けた福島の桜の話は単なる創作とは思えないので印象に残りました。 2019/04/05
ミーコ
19
児童書ですが、心にグッと来るお話でした。不眠症の桜や お婆さんに毎日愚痴を聞かされて、心を病む桜 福島で誰にも見られる事なく孤独を訴える原発事故で影響を受けた桜。。いつもは寝てばかりの桜専門の精神科医だけど、処方は間違いない。看護師さんとの掛け合いが面白かったです。2025/04/25
マツユキ
14
世界でただ一人の桜専門の精神科医、サクラハナ・ビラ先生の患者たちの記録…。 京都では、今は珍しい太白という桜が不眠症に。ベルリンでは、おばあさんに話掛けられ、戸惑う八重桜。福島では、今は誰にも見られないで咲く染井吉野。 桜は毎年、美しく咲き、子供が生まれる。人間のいやな部分と、それでも消えない希望があって。切ない。今年の桜は何を思ったのか。来年は?苦しくなりますが、私も先生と助手に癒されました。桜の季節に読み返したい。 2020/11/12
木漏れ日の下
11
サクラハナ・ビラ先生は世界でただ一人のさくら専門の精神科医。さくらの悩みを聞き、独創的な処方をして快方に向かわせる不思議なビラ先生。襖に描かれた桜に嫉妬して眠れないさくら。いつも話しかけてくるおばあさんが気になって眠れないさくら。そして…何故急に誰もいなくなってしまったのかわからず孤独にピリピリに耐えている福島のさくら。ほのぼのした世界観とのんびりしたビラ先生や助手のさくらふりかけちゃんの存在でほんわかした気持ちで読んでました。けど最後の福島のさくらのお話は胸にチクンとトゲが刺さります。2018/06/15